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2019年3月16日 (土)

四百三十七

第437話

#「親子の繋がり」

 貂率いる飛信隊が前線に戻ってきた。 早速に激怒した隆国将軍から貂が大目玉をくらう。別将として滞在した羌瘣はいる筈の男を探すが、そこにいなかったので不思議に思う。⇒信たちがいない間、どれだけ羌瘣は武功を上げまくったのだろう

 

「史記秦始皇本紀」より抜粋 ⇒φ(・ω・ )これで今回。

四月、上宿雍。己酉、王冠、帯剣。長信侯毐作乱而覚。
紀元前238年四月、秦王政は雍にて帯剣、加冠した。その時嫪毐の反乱が発覚した

矯王御璽及太后璽、以発縣卒及衛卒・官騎・戎翟君公舎人、将欲攻蘄年宮為亂
嫪毐は王と太后の玉璽の複製で各県の兵・戎翟公らを徴発して雍に攻め入ろうとした )

王知之、令相国昌平君、昌文君発卒攻毐
王は気付き、昌平君、昌文君が毐軍迎撃に出た

戦咸陽、斬首数百、皆拝爵
咸陽で戦い反乱を鎮めた。その後数百人を斬首し武功者は爵を得た)  φ(・ω・ )メモメモ エエ…ちなみにその処刑の場において、どっかのバカ息子が恐怖で震えており最後は父上と叫びながら打ち首になりました。
 衆目に曝されたその様で中にはそいつに娘をなぶり殺されたと被害者の家族から叫ばれ因果応報の理さながらであったそうな。しかし、目つきの悪い覆面をした男がいたそうです。

皆梟首、車裂以侚、滅其宗。
嫪毐ら首謀者は車裂きとなり首は曝されその一族も皆死罪となった。 )

及奪爵、遷蜀、四千余家、家房陵
また関係した四千余家の人間が蜀の地へと島流しにされた)→四千余家が房陵に家をじゃないのかね?? 趙高が蜀からどうやって戻るのか??

呂不韋と蔡択の会話
 蔡択が呂不韋にまだ斬首になっておらんのかと話しかける。呂不韋はまだ審議中ですと返す。衛兵の監視つきとはいえお互いに自由に外を歩けるとは大王はお優しいと蔡択は話す。呂不韋はあちらには策士・昌平君がいる、泳がされていると考えるべきですよと返す。

 蔡択が生まれ変わった秦国はこれからどうなると思うと問う。呂不韋はそれが分かる人間は誰一人としていないと即答する。 なぜならこの五百年、誰も踏み入れなかった領域に大王が焦点を当てているからだと。昭王・六将も真っ青の苛烈な時代を迎えることに間違いないでしょうなと衛兵も青くなるほどの言葉を吐く。 しかしと呂不韋は、不思議と心の隅でどこか高揚しているのも事実ですと自らの心境も明らかにする。 あの呂不韋を感化させるとは大王は傑物じゃのおと蔡択が感心する。 

 それに呂不韋は流石は私の息子ですと言う。⇒`;:゙;`;・;:;:゙;`;・゙;`;・(゚ε゚ )ブ━━━━━━━━ッ!!!! 蔡択含め、その場にいる人たちが仰天した。

史記「列伝」には政と呂不韋の親子説が記されている。 
 
 呂不韋は太后こと美姫はかつての私の恋人、私と分かれて荘襄王にあてがった所、すぐに妊娠が発覚したと言う。動転したまま蔡択がではその子がと問う。 我ながらなんという運の強さかと思いました、親子二代で秦国を乗っ取れるのかと。

―しかし、その文の中には妊娠の計算が合わないことも記してある。
 ―しかし、ふたを開けてみれば出産した日がどうやっても計算が合わなかったと。 動転しかけている蔡択たちへ冗談ですと呂不韋はその話題を〆る。蔡択が寿命が縮んだわと本気で言う。

 大王と太后、そして私の関係は解き目がないほど絡み合っていて、それが今回三者が同時に力づくでケリをつけた。そうして新しい時代への航路が開けたと言うわけですと呂不韋は今回の事をそう語る。

 産みの苦しみかと蔡択が呂不韋の感慨をまとめる。勝った大王も笑顔ではありませんと呂不韋が言う。 蔡択も仕方がない、この度の事で爪痕が深く刻まれたのは太后と大王の二人の間だと言う。呂不韋は二人の遺児の命を最後まで庇おうとしたのは大王本人らしいと蔡択に教える。

大王と太后_子と母
 塔に幽閉している太后に大王は会いに行く。 番兵に様子を聞くと、たまに泣き叫ばれておりますが今は眠られていると言われる。しかし、食事も水もほとんど口にしないと。 大王は少し外してくれと番兵に言うと、母のいる部屋に入った。 部屋の中は棚も机もひっくり返されて散らかったまま、母の顔には涙が消えてなかった。⇒ (´;ω;`)ウウ・・・ やっと太后様は大切な人〈光〉のために涙することが出来たのだ。。。

 泣き疲れて寝ている母の寝台の横に子は座る。その横の寝姿を見て、趙の人質時代での幼児虐待、家庭内暴力の日々を思い出す。 怖かった母、それでもその背中を触ろうと愛を求めたその時の思い…。 時を経てようやく子は母の背中をさすることが出来た。

 お互いによく生きてこられた 全てを失ってしまったがどういう形であれ旅は終わった 素足で棘だらけの道を歩まされた旅が漸く…

 子は母の背中に頭を近づける。 遺児は密かに城外に出して匿った。露見すればすぐに命を絶たれますので知っているのは数人のみ。何年先になるかわかりませんが国内が安定すれば必ず引き合わせます。どうか健やかでいてくださいと大王は太后に囁く。母はそれを聞いていた。

Photo

原先生は久保田路線を採らなかったのは英断でありましたな。

大王の甘さが出たけれど、その甘さを素直に受け止められるのは嫪毐の愛のおかげだと今でも思うな。

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