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秦戦紀

  • Sample01
     歴史大作漫画「キングダム」全感想記事を戦争毎にまとめた目次録。リンクを張る場合はコメント欄に一言あるように。
     ◆目次解説並後書 
     

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2019年3月24日 (日)

五百二十二

#522「左翼の絶望」 

 

 左翼本軍が攻撃を始めた模様です。 本陣の王翦が自軍の報告を受ける。 

 趙右軍本陣でも紀彗達が敵の第二波の騎馬隊およそ5,000が前線にまもなく突撃するのを目にしていた。さらにその奥に敵軍の姿を本陣の部下達が視認する。 
 敵軍は二つだった。 部下たちは報告によれば一軍だったはずと不審に思う。部下の疑問に、紀彗は一軍を二つに分けたのだと答える。 順番に襲い掛かる敵軍の姿に部下たちは何だこれはと一様に戸惑う。 敵の狙いが分かった紀彗は波状攻撃だと言うのだった。

麻鉱軍第二波襲撃 初突で強かに損害を受けたのに、すぐに新手に殺到され、紀彗軍は大混乱に陥る。隊はバラバラになる。麻鉱は敵兵を矛で貫き、更にねじ込む。
 部下が第二波がうまく入り込めましたねと言う。麻鉱もうむと答え、攻めがうまくいっていることに機嫌がよい。 部下は黒羊戦で名を馳せた紀彗軍に少々期待していたのですが、我らにかかれば大したことはなさそうですなと言う。
 紀彗軍兵から兄者と喚く声も聞こえる。 部下は第二波まででここまで一方的になるとはと張り合いの無さを感じていた。 それに麻鉱は‟陽動”の功だと答える。片手間に兵の首を斬りながら。
 楽華隊ですかと部下が問い、麻鉱はそうだと答える。噂のあの紀彗軍を正直、ここまで翻弄するとは思っていなかった。口だけかと思ったがやりおるわ、あの蒙家の嫡男めと蒙恬の活躍を認める。

【開戦前、王翦、麻鉱、蒙恬と打ち合わせ】

 左軍本軍到着までの‟囮”の役目しかと承りました。 蒙恬は王翦、麻鉱に対して作戦を拝命する。

 麻鉱は重大な役目だ、全王翦軍最強の攻撃力を持つこの麻鉱軍の力をどういう態で趙右軍にぶつけるかがお前達の働きにかかっていると蒙恬に告げる。そして、フッと嘲笑し、まぁ仮にお前たちが失敗してもと左は負けるということはないのだがと当てにしてないと言わんばかりだった。
 それに対し黙った見据える蒙恬。 少し気に障ったのか麻鉱は生まれの良さを鼻にかけた目つきをするこの若造に何か囮となる策をと主の王翦に促す。

 しかし、蒙恬はそれを遮り必要ありませんとはっきり断言する。 心配せずとも楽華隊の戦い方できっちり麻鉱軍の‟波状攻撃”につなげますよと言う。 麻鉱はなぜわが軍が波状攻撃をすると知っていると聞き返す。 笑みを浮かべる蒙恬。
 最高の形を作って待っているのでそこからはしっかり頼みますと蒙恬は麻鉱将軍に言う。もたついたら‟主攻”の座をうちがもらいますからねと笑って言った。

波状攻撃を喰らう紀彗軍。只今混乱中! 

現場の兵は見えていなかった敵の奇襲を受けた時その数を実際よりはるかに多いと錯覚してしまう さらにそこへ 五千もの騎馬隊第二波が加わったことで紀彗兵には数が数万に膨れ上がったような重圧を受け大きく士気が下げさせられた。 しかもこれが第三波、第四波と続いてくるのである この特殊な波状攻撃をさらに横腹に喰らえばもはやこの戦場の勝敗は決したも同然である

 しかし、それをこの軍の大将・紀彗がそれをさせなかった。

軍を立て直し始める紀彗。 大至急、呂劇の騎馬隊1,000を左から出せと命じる。 乱戦は無視して第三波の左前方に突撃をさせる。 右にいる馬呈を救いに行った一万は馬呈を助けるまで戻さず、馬呈と合流すればそのまま馬呈を将として敵第三波の右に突撃するように命じた。 ここから大将は軍を立て直す。本陣の狼狽えていた幕僚達が問い、即座に紀彗は当たり前だと答える。 大将の決断でようやく幕僚達が踏みとどまる。

 幕僚達は本陣を後退させて一度は前線を作り直すように進言する。 紀彗は却下した。下がっても敵の波はどこまでも追ってくるから距離は取れない。
 本陣は動かぬと紀彗は決断する。 全隊に本陣死守の令を出して奮い立たせる。後軍も前に出して、声の限り離眼の掛け声を上げさせながらと矢継ぎ早に命令を下した。 

 敵が少数であることも全軍に伝えるように命じる。幕僚が戸惑うが、紀彗はお前たちは王翦の策にまんまと乗せられているのだと言う。 
 大軍が押し寄せたを錯覚しているが敵は五千ずつの四波、つまり二万であって対する我が軍は三万なのだと説く。 幕僚達が大将の解説でようやく冷静になり、勝機を見出す。 総数で負けているから王翦はその差を奇襲で埋めるしかなかった、単純な戦力ならこちらが上なのだと。
 今の流れに押し切られさえしなければ…、この数の差と離眼兵の質で必ず勝てる!巻き返すぞ離眼の男達よぉと紀彗が檄を放った。大将の言葉に幕僚達に生気が戻った。 

この時紀彗は一つだけ事実に反することをくちにしていた。最初の楽華隊の奇襲と麻鉱軍の波状攻撃で紀彗軍は数千の兵を失い、兵力は同等か逆転さえしていた。 無論そこは承知の上での劇である。 だがこの戦局の移ろいの中で実は麻鉱軍以上の脅威を感じる存在が‟右”に在った  

 紀彗が右を向くその先にある部隊、楽華隊蒙恬である!!! 

 馬呈を取り逃がしてしまい、悔しがる楽華隊。 一万もの敵軍が来て、馬呈を救出してしまう。 紀彗本軍は麻鉱軍が攻めている戦局にどうしますかと兵は蒙恬に今後を問う。
 馬呈達が前方へ向かったので敵本軍は無事、波状攻撃の後ろを止めに行ったと蒙恬は読む。 
 中央軍の位置から麻鉱軍二万を動かすなら軍を分けて走らせる波状攻撃が上策だと言う。 味方の攻めを読みつくす大将に楽華隊の兵達は驚きを隠せない。 蒙恬は紀彗軍は麻鉱軍の攻撃に耐えている様子で、これは王翦将軍の想定した配置になったと観た。

 紀彗が本陣で楽華隊の脅威を皆に伝える。

囮で済ませるには五千の数は大きい。 我々は秦本軍左翼の波状攻撃を止めるために全力を咲かねばならない状況にある。その状況下にある我らに森の向こうで遊軍になっている五千人隊はそのまま真横からでも背後からでも決定打を打ち込むことができる‟最大の脅威”となってしまった。 幕僚達も大将の懸念にようやく気付く。

この戦局はあの遊撃隊の動き次第―率いる将の才覚次第で大きく変わってくるが…、開戦からの動きを見てもあの遊撃隊の将は只者ではない。 それになにより‟五千”という兵力がここにきてことさら大きい 幕僚は今すぐ遊撃隊を討ちましょうと進言する。だが紀彗はその戦力を出してしまうと秦軍の波状攻撃に耐えられないと却下する。

 詰められた局面に紀彗は歯ぎしりする。 ‟挑発・陽動”の五千人隊が秦本軍左翼と我らがかみ合った戦局推移の末に‟主攻”に化けられる存在になることまで読めなかったことに…。 
 これは偶然の産物ではないと紀彗にも分かる。左翼を五千で始めた王翦の頭脳にはここまでの盤面を描き切っていたと、秦軍総大将・王翦の戦術眼に震えた。

 その王翦は左翼の戦局が伝わった頃、やはり見えておったかと小さくつぶやいた。

 もたついたら‟主攻”の座をうちがもらいますからね。

 左翼配置を伝えられた時に蒙恬が言った台詞で、王翦は配置時に既に自分と同じ盤面が蒙恬にも見えていたことを知ったのだった。 

その蒙恬は一度視界から消えることにする。次の一手で大将・紀彗の首を取るために。

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