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秦戦紀

  • Sample01
     歴史大作漫画「キングダム」全感想記事を戦争毎にまとめた目次録。リンクを張る場合はコメント欄に一言あるように。
     ◆目次解説並後書 
     

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2019年3月24日 (日)

五百三十七

#537「大将軍の景色」

 “大将軍の見てる景色ってやつがだよ”

蒙恬の言葉を思い出した王賁は巻き返すと言う。 宮康は絶句し、関常はそんな王賁に必死に叫ぶ。

「何を言っている。ちゃんと周りを見ろ!とにかくあんただけは脱出するんだ。俺達で何とかあんただけは…。」

 そこに番陽が傷を負いつつも駆けつけてきた。賁様、ご無事でしたかと安堵する番陽。深手と見て関常が大丈夫かと心配する。 大丈夫と言う番陽は、この場から直ぐに脱出を進言する。 
 しかし、佇む若を見て関常にどうしたのだと問う。関常もさっきから戦いもせずこんな感じだと返す。あんな調子なんだとと口にする。 佇む王賁は現実から離れていた。

“何だそれは。妄想の話に興味はないぞ”
“妄想話じゃないよ王賁。だから大将軍の見る景色ってのは…”

 我に返った王賁が動く。 今すぐに隊を分けると命じる。 機を逸する前にさっさと番陽を呼べと関常に叫ぶ。 番陽が小声で私はここにと口にする。 隊長の豹変に関常がついて行いけなかった。

 玉凰隊が右奥に動いた。 趙峩龍はこちらの想定していた二択のうちの一択だと軽く笑う。 幕僚の一人が我らを突破して後ろから来ている亜光の援軍に逃げ込む“剛”の選択はしなかったと言う。 別の者もそこまで王賁は馬鹿ではないと話す。 どちらにしても奴らに生き残る術はないと皆は言いあった。

 逃げたら逃げたで徐肖と徐林の長槍が背を貫く。 残された玉鳳隊が敵の新手の隊で蹴散らされていく。先頭の二騎の長槍に味方が倒されるのを番陽たちが憎々し気に見る。番陽たちはそれでも屈辱の光景を振り切り、全力で脱出に奔る。 趙は王賁の所在を確認させようとする。その時に自分の左から動きが起こった。

 少数の王賁たちは玉凰の本隊が逃げている方向とは真逆の、岳嬰軍と我等(趙峩龍軍)の境目を抜いて、左に逃げる。 宮・松ら関常隊も大苦戦する。数十騎がやられて関常も音を上げるが、王賁は早さ重視だと吼える。一騎でも多く走り抜けようとする。 王賁の小隊には千騎もいない。自分を囮にして本隊を救うのか。幕僚達も趙自身でさえ王賁の狙いが読めない。

 王賁の脱出だ。包囲を抜けたら大きく回って亜光援軍に逃げ込む気だ。趙はそう判断して、直ぐに脱出させるように壁を作らせ始める。 しかし、王賁たちがいち早く脱出に成功する。それでも趙は左に旋回して亜光軍に入る所に横槍を入れる腹だった。六百前後の兵なら三突きで葬れると。

 だが王賁たちはそのまま直進した! 血迷ったかと趙峩龍は思う。直進する方向は敵だらけで孤立無援となって絡めとられるだけだと拍子抜けする。

王賁についていく関常たちも半信半疑だった。 岳嬰の騎兵がしつこくついてくるも、王賁は脚で引き離すと言うのみだった。 敵の真っただ中に入り、奥から騎兵が出たり、矢も飛んできた。 

王賁は左に旋回する。敵騎兵隊が続々襲い掛かってくる。 宮・松が的中突破して安全地帯に出ようとしたが裏目に出たと言う。本当に逃げ場がないと。 
 だが王賁は逃げ場など必要ない、俺達は攻めに行っているのだと告げる。関常たちは驚く。 そんな中でも敵から矢の雨が降り注ぎ、味方が負傷していく。 たまらずに関常は一体、我々はどこに向かっているのですかと王賁に問う。 敵の騎馬隊に対しては左にかわしていく。

横陣の弱点だと王賁は答える。

 戦いの基本は横陣である。互いに横陣を敷くため戦いは横陣同士の正面のぶつかり合いとなる。 

 ここで警戒しなくてはならないのは裏側である。横陣は裏を取られるとその場が前後から挟撃されるため予備隊を置いてこれを守る。 

 そしてもう一つの弱点が「端」である。「端」に隊をつけられるとそこから挟撃となり次々と粉砕されてしまう。

今王賁たちに群がっているのがこの予備隊である。王賁はそれを懸命にかわし全力で走り抜けた。 ある「点」を目指していたからだ。 遠目にその姿を見て王賁の狙いに気付いた趙峩龍は驚嘆せずにおれなかった。 

✨王賁が目指していたのは、最初のいた地点から対角線上にある馬南慈軍横陣の弱点「左端」だったのである。

王賁の戦略機動に驚愕する諸将たち。 遠地のあんな場所を狙って走ったのか。あそこは横陣の弱点だが王賁の五、六百騎で攻略はできぬ。趙の幕僚たちは言い合うが、趙峩龍は王賁は自分だけで攻略するつもりはないと見抜く。

 秦将・亜光が優秀なら王賁の動きに呼応する。 趙の読み通りに亜光将軍は直ぐに左に部隊に持場を離れて、若と共に挟撃せよと命じた。 馬南慈軍本隊の抑えに回る亜光将軍は、練っていた対馬南慈軍戦略が全て消し飛んだと舌打ちするもここで馬南慈軍を二日目で復活できぬ程叩けるやもしれぬと、仕掛けた若に好悪半ばの気持ちを抱く。

 舌打ちする馬南慈。趙峩龍は岳嬰と私の軍の挟撃包囲されて絶体絶命の最中にこの絵図を描いたのかと心中に王賁への驚きが広がる。

 亜光の呼応に王賁たちもすぐに丘から降りて戦い始める。戦いながら友の言葉を思い出して少し笑う。 向かってくる趙兵に龍巣を浴びせる王賁だった。

六将とかの類の大将軍ってのはどんな戦局どんな戦況であっても常に主人公である自分が絶対に戦の中心にいて敵をぶん回すっていう自分勝手な景色を見てたんだと思うよ

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