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秦戦紀

  • Sample01
     歴史大作漫画「キングダム」全感想記事を戦争毎にまとめた目次録。リンクを張る場合はコメント欄に一言あるように。
     ◆目次解説並後書 
     

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2020年11月15日 (日)

六百六十

#660「善か悪か」

 什虎軍軍師・寿胡王は語る。

 騰、録尾未、そして、蒙武に蒙毅もその場に駆け付ける。

 寿胡王は騰に儂らには他と違う何かがあると言うが、それは間違いだと切り返す。逆に儂らは何も持っていない、全てを失ったと答える。そして、満羽と千斗雲は失った上にさらに・・・と昔のことを語り始める。


十二年前、満羽は小国「汨」国の大将軍、千斗雲は小国「歴」国の大将軍。「汨」「歴」は共に楚の侵略に抗い続ける小国の雄であった。

四方を楚に囲まれながらも両国が落ちなかったのは無論、満羽と千斗雲がいたからだ。

二人は楚軍に勝ち続けた。勝ち続けたが・・・ 

 楚軍との戦いで満羽は楚将・楚比を討ち取る。楚軍は退却する。満羽は自軍の被害を問うと、流邦と中歩が討ち死にしたが死傷者は千人程と答えが返る。
 満羽軍が後ろを振り向くと、歴国、千斗雲軍も楚軍に勝った様子が見える。だが、勝者にしては疲れがあると察する。満羽は軍を城に戻す。

 城に帰ってきた満羽は汨の民から喝采を受ける。

満羽達と同様に汨の民も疲弊しきっていた。その中で満羽は人気があり汨国の精神の支えであった

 少年がやっと十五になりました、次の戦いには是非戦場にと満羽にお願いをする。満羽はああ頼むぞ青多とその子の名前をきちんと呼んで応じる。軍の一人は青多におまえはまだ十四だろうがと笑い飛ばす・・・。 だが現実は非情であった

 汨王袁公は最早限界だと告げる。儂も民もこれ以上は楚と戦い続けることは出来ぬ、楚に降ろうと思うと満羽に不安を明かす。

 その王に満羽はご再考を促す。この国が楚に降伏すれば一部の有力者を除いたほとんどの者が財を奪われ生きることに窮します。半年前、楚に降った「圭」という国では民の半分が奴隷になった、半分がです! そんなことはこの満羽が絶対にさせませぬ。 
 満羽の答えに汨王も躊躇する。 重臣の一人が王はこのまま続けても汨の未来はないとおっしゃっているのだと反論する。それに満羽軍の副官は手はありますと代案を出す。

 同じく楚と奮戦している「歴」国と同盟を結んで共同戦線を敷くのです。あちらには猛将の千斗雲がいますから手を組めば楚軍に対抗できると。しかし、重臣は「歴」国とは元より仇敵同士で同盟を組むなど楚に降るより許せぬとはねつける。 

 満羽は歴との同盟はともかく楚の暴威は防ぎますので王にご再考をまた言上する。

王や大臣達と満羽ら軍部の間には溝が生まれ深まっていた それでも満羽は汨国の民のために楚軍と戦い続けた

そうしたある日 満羽軍が遠地で戦っている間に汨国は城門を開き楚に降伏した――

その報せを聞いた満羽たちは呆然とした。ふざけるな、なにかの間違いだと叫ぶ満羽軍の兵たち。→😰なにか蜀滅亡の三国志を思い出す。。。

満羽達は帰る場所を無くした 守るべきものを・・・・・・無くした。

その後、満羽軍は投降しなかったため彷徨いながら楚軍と戦い続けた。全てを無くして呆然と戦う満羽はそれでもなお強かった。何日も何十日も戦い続けた満羽は、

最後にあるものをみた。 それは祖国・汨国にいた若者の死体であった。

😱青多ァアアア嗚呼――!! 驚く満羽は馬首を返してその戦場をもう一度見渡した。

満羽達は知らぬうちに汨国の人間を含んだ楚軍と戦っていたのだ。気づかぬうちに汨国の民だった者達の敵になっており、そしてそれを殲滅していた。

 満羽のもとに駆け付けた満羽軍がそこであちこちに骸になった汨の人間を見つけていく。

満羽は馬の脚が土に沈むほど長くその馬をうごけなかったという。そしてそれまでの満羽が、満羽の中で確実に死んだ。


 王だけでなく・・・守っていた民にまで裏切られた。秦の兵は一様に思う。録尾未が元々民にまで煙たがられていたんじゃねえのか満羽はと一言挟んだ。
 それに寿胡王はさあな、ただ大衆の心を騙し操ることは大して難しいことでもないと感想を述べる。

 蒙武兵は背負っていたものに裏切られたのかと口に出る。寿胡王が少しそちらに振り向くが、また続ける。

  1. 時を同じくして千斗雲も同じ境遇になって壊れた。おそらくはしぶとい両国に楚国が“離間”の策をしかけたのだろう。
  2. とにかく二人はそこで楚軍に降伏した。
  3. 寿胡王も玄右も似たり寄ったりで国を失い根無し草となって軍を率いて彷徨っていた
  4. そこに楚の春申君が我ら四人に什虎城を与えて根城とさせた。

 心が壊れても戦は強い。重要拠点をただ守らせるにはうってつけで、放っておくと何をしでかすかわからぬ厄介者でもあったからなと寿胡王は語る。 

 騰は不落の什虎城の正体を理解する。録尾未は俺らが完勝したがなと誇ると、それは満羽に変化が生じたからだと返す。

 「儂はこうみえても荀子の下で学んだ儒学者でもある」 寿胡王の言葉は録尾未は理解不能になる。騰が“性悪説”の荀子かと返すと、寿胡王はその通りだと答え、録尾未はついていけない。
 かつては“性善説”と“性悪説”の研究は面白かったが、止めた。軍師として戦場に出るようになって“机上の空想”がバカバカしくなったからだと寿胡王は語る。

「戦いがあり勝者があり敗者があり、無力なる者達の犠牲があり、そこには善と悪が交錯する。それを二分できる筈も無く二分する意味も無い。儂はこう思う、人は愚かだと →🙂おっしゃる通りで!

 騰も蒙毅も黙って聞くが、録尾未一人は同感だと即答し、部下が驚く。何が言いたいと騰が追及する。

「満羽は全てに虚しくなり輝いていた奴の心は虚無の底で死んだ。それを儂は何よりも悲劇だと感じておる。そしてその悲劇はただの悲劇のままで終わると思っていたが変化が生じた。どうやらその変化を生んだのは蒙武、お前だ」 

 寿胡王の言葉に皆蒙武に視線が向く。録尾未はなんで蒙武なんだと疑問をぶつける。儂にもよく分からんと言うも、寿胡王はただ満羽が蒙武になにか通じるものがあると感じたのは間違いないという。蒙武に視線を移す寿胡王がみたところ自分から話す男でもなさそうだからなと言う。

 一人も蒙武兵が満羽が戦いの最中で蒙武様が背負っているものがどうのこうのと思い出して口に出す。ほうと興味ありげに呟く寿胡王。父の背負うものと子の蒙毅も驚く。録尾未はこの男が満羽みたいな重いもん背負っていると思ってんのかと怒鳴る。→😆信のツッコミ役の先輩・録尾未将軍。 

 「よい。天が導くなら二人はまたいずれ相まみえるだろう。儂は満羽に・・・悲劇の先に何かあることを願うばかりだ。人の愚かさの先に何かがあることをな。」 黙ってきく秦軍の中、録尾未一人が舌打ちして何だこのじじぃの話はと吐き捨てる。 

 寿胡王は軽く笑うと、少々学者気取りが過ぎたと述懐する。満羽のことは語ったと寿胡王がさあもういいぞ、首を刎ねろと首を差し出す。その結末を見届けるのはお前達に任せると言って。。。

 

 

 

K001_25 敗戦の痛みを知る世代と幕末本に三国志読者(唯ゲーム専遊者は除く)には痛い程よく分かる満羽の辛さよ❗❗

 満羽の辛さは姜伊の辛さよ。。

 

 

 

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