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何時の日か唐鏡の名君が大河ドラマで主役を張ることを願っております。桶狭間戦記‐最終章‐第3・4話〔改訂版〕

  • 「寄親寄子」
  • 「今川義元出陣」

#3

駿河国は遂に今川義元が宿願の尾張侵攻を決断した! 義元と共に三浦、朝比奈譜第の臣数人と軍議を重ねる。 

尾張は飢饉の中であっても肥沃な土地で米の備蓄がある、清洲城に篭城されたら落とすまで時間がかかる、むしろ大軍動員できる今川の方が干上がるのは必死と戦術案が思った以上に無かった。

 ではどうすると今川家臣一堂が難儀をする。しかし、唐鏡の申し子・義元が直ぐに光明の攻略案を暗い軍議に差し込む

 魚を殺すにゃ水を切れ! 僅か三十年で織田家が守護又代家老から国主まで下克上を果たしたその理由は、信長の祖父・信貞が商業都市・津島を手に入れたおかげ。それ故に織田家の財源を落としさえすれば尾張を手に入れることが出来ると義元が戦略案を打ち出す。

 津島、熱田の港を狙い、大高城を落として橋頭堡としてから伊勢湾に沿って進軍する陸路と水路で二つの港を占拠する作戦を披露する。⇒現在でも港を押さえるためには海軍単独では適わず、背後の陸路から陸軍が砦と港を落として無力化した上で、海軍が敵海軍を撃破するのが基本攻略です。 故に海軍が精強でない日本が沖縄の基地でアメリカともめるのは当然。逆に言えば日本の海軍(海上自衛隊)が強ければ基地の負担は相当に軽減されることは必定。それを指摘しないマスコミの非国民ぶりが酷い。

 此処に至って伊勢神宮の調略がこのためであると家臣達は悟らされる同時にそれは尾張攻略ルートがこれ以外にないことを思い知らされるのだった。 が、信長もそれに気付いていた

 信長は既に大高城から先に進ませないために巨費を投じて周囲を砦群で囲んでいたのだった。 信長は義元の狙いが分かっている。ならば要の大高城付近で両者の決戦も起こりえるのではと朝比奈、三浦が不安を口にする。しかし、義元にはそれも想定内のことだった。

 飢饉の現状がそれ以外の道を与えなかった。日の本においてそれが分かる者が我(義元)と信長のみだったという運命がそうさせるのだと。 主君・義元にそこまで言わせる信長が容易ではない敵だと三浦、朝比奈の形相が覚悟を決め、一変する。 遂に義元が召集令を下した!

 全今川領内で陣触れが伝えられる。 領民達は戦支度をして土地長である寄子さまの元に集まる。兵士をたくさん揃えた寄子が指定された寄親の下にはせ参じていく その連鎖により続々と今川軍が膨れ上がっていく仕組み、それが寄親寄子制度であった

 駿河国で居残る領民が義元公が率いる大軍を見送る。その中に信長の側室となったお類の小者が出世のたしにと駿河まで下調べをしていた。⇒ま、誰だか分かりそうなもんですが(笑)。

これまで軍役とは戦の見通しによっておぼつかないものだった。しかし、このたびの今川家の軍役は見事。法度の効力だけでは此処まで行き届かない。日頃の今川義元が民に世話を焼き、紛争介入してまで民政に意を注ぐことにより領民は義元を信じながら、遂には依存して疑う事無く今川家の命令を聞き入れる。 

僕が遊びたい時は皆も遊びたい時らしいんだ。(義元回想) 

この支配力は天賦の才。義元がしたいことと民が求めることが鏡の如く合致する。此度の今川冶部大輔の軍勢は雲霞の如くである。

||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ|| いざ行かん、我が遊び場へ!!!

            

#4

上のような報告書を受けた信長。やおら報告書をビリビリに破り捨てる。小者は震え上がる。信長はどこで学んだのかと問う。震え上がる小者だったが辛うじて熱田や津島で小商いをしているうちに考える力が自然と身につきましたと答えた。

 今川軍迎撃について軍議を重ねる織田家家中。義元の狙いが分かっている信長が軍議を聞いている。籠城策に徹する意見が大半であり敵軍を退かせる事を第一としたものばかりだった。 武人より商人の方がより多く考えていると思う信長はさっきの小者や馬廻りが自ら知恵を生み出していることを思い出す。

 軍議から去る信長。統制のまま動く動く大軍に自ら考える馬廻り衆を比較していた。

 戦争が迫る中、津島では豪商達が今後の行く末を討議する。しかし、弾上忠家と共にでかくなった豪商たちは自分達の商売圏を守るために織田家を支えることに決める。それは津島商人を親にもつ馬廻りも同じで儲けさせてくれる信長様のために戦うと一致団結していた。

アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!! 日に日に膨れ上がる今川軍。 駿河から一万だったのに尾張境に来た時には三河・遠江の兵も合わせて三万に登る。津島にいる今川家側の服部左京も水軍の頭として駿河側として参戦している。 義元は引く気はさらさら無い。

 主の決意に万が一の退却に備えて馬上にすべしと旗本の松井が進言するが、義元は退いたら自分を慕って集まった流民達を飢えさせることになると斥ける。

 松井は飢饉の世情、流民を無理に救えば国が危うくなると言うのだが、義元は負ければ国ごと崩壊すると理解したうえでの行動だった。それは織田も同じだと。 どうしてそれほど危険な戦をするのかと松井が聞くが、義元は答えを直ぐに出すことは無く、じきに分かるとだけ言う。

後書⇒これはいわば飢饉による領民の大移動だよな。膨れ上がる民による拡張政策(義元)に対して、安定成長(信長)の戦いって気がする。もっとも信長も後になって拡張政策に転換するのだけれど。

沓掛城に入る今川軍。大高城に食糧を運ぶ役目を義元は松平勢に命じる。率いる大将は松平元康。 ついに戦の賽は投げられた。

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