桶狭間戦記‐最終章‐第11・12話。〔改訂版〕
戦雲立ち込める
- 熱田と津島
- 今川本陣
#11
談合( ´艸`)プププ 堀田道空正龍(津島十五党頭取)は熱田筆頭頭取の加藤図書順政の暖簾をくぐる。
合戦は商業圏のせめぎあい。熱田津島を封鎖する北上の今川軍にそれを阻止する南下の織田軍。互いの利益を考えると前面衝突は起こらないと思う両頭取は、武田上杉の川中島の戦いのような消耗戦はしたくないことで一致していた。互いに利益から織田今川の戦いの趨勢を考える。⇒商業には国境は無い。故に企業が口を出す利益は現状維持型が大半を占める。企業家に政治に口を出させて左右される政治家は非常時における人間の歴史からの経験則の決断ができないのだ。
長期戦不利の今川家に小豆坂の大敗を恐れる織田家は前面衝突は望まないと予想する。今川家は熱田まで制圧したい目論見、織田は熱田死守するとなれば、熱田南の笠寺ち星崎まで今川領にすることで、伊勢湾商圏を二分する形に持っていくだろうと。。。
伊勢湾を巡る商人の戦いに今川側から友野座が出てくるから、一致団結しましょうと提携を結ぶことに。しかし、そこに織田軍の先遣隊が全滅したとの敗報がもたらされる。
熱田津島の頭取たちは信長の気性では懐深く進んでしまうのではと危惧する。それでは各地に散在する今川軍に包囲殲滅されてしまう。熱田を死守できぬ顔向けできぬと腹でも切るのかと熱田の頭取の子息はうろたえる。が、加藤図書はうろたえるなと一渇する。
人が銭なるものを知らぬ頃より我等商人はそれに支配される次第を見た。そして、晩年、銭の寵児たる信長と出会った。あれこそ銭の申し子、信長が負ける時は時代が銭を必要としなかったのだと腹をくくる。
その頃、今川軍は信長の所在を探し続けていた。信長は中島砦まで進んでいた。そして、俄かに急雨が
#12
雨で追い風が吹く。これで織田軍は敵を巻くことが出来た。
今川の寄親寄子軍は指名編成で番槍(支給槍)が多い。善照寺砦から信長は大高城に向う軍のみが不揃いの得物が多いので今川旗本と睨んでいた。
信長の作戦計画は中島より鳴海道を南下、大高に向う今川の横槍をつく。敵に読まれていたら掛からば退き、退かば掛かることに。
選ばれた悲壮の軍、進む。雨で戦の見物人は去り、簗田も中島砦に帰ろうとする。そこに今川本陣を突こうとする信長軍が現れる。簗田に大高道で今川軍を見たかときかれる。しかし、つぶさにというものの槍先の揃った見事な軍と簗田が言うと、信長は進軍を止めて簗田にふいたら斬るぞと脅す。
簗田は大高道の他にも今川軍がいる、鳴海道付近にも今川軍がいると教えるのだった。
その頃、今川本陣は支度中であった。
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