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信約キングダム 165回

キングダム 第165話

#「強さの根源」
 龐煖を前にして王騎将軍が動かなくなっていた。信をはじめ、秦軍兵士達は将軍の静けさに不安を覚える。しかし、当の王騎は身体はここにあっても魂は九年前の惨劇の中にいた。

 九年前、愛する摎がどこぞの名もない者(龐煖)に命を奪われた。摎の軍の兵士達は信じられず大将の名を叫びまくる。属将の昌文君は地にひざを落として号泣している。斃れてピクリとも動かない摎は仮面が取れて、悲しみの涙が光っていた。

(#`Д´)あいつが我が娘を殺したのだ!!! 激情に身を焦がす王騎の顔は鬼と化す。。。

亜っ!! 九年前に戻って己の怒りを取り戻した王騎は臓腑から声を吐き出し、怒りのオーラを身にまとう。その凄まじさに敵味方の兵士すらたじろぐ。元・摎軍の兵士だった老武将はあのときの王騎将軍だと嘗ての恐怖を確かめていた。 対する龐煖はその気勢を感じ、この王騎を倒すために俺は此処に来たと更なる闘志を掻き立てる。

 九年前、摎と戦った龐煖はその剣技に終始、押されていた。だが、とっさに足を踏み砕いて敵の動きを止めた龐煖は手傷を負いながらも、摎を一刀の下に斬り捨てたのだった。

しかし、摎を倒した後で怒りに燃え滾った王騎に襲われ、顔面を斬られる。圧倒的な力を感じつつ、王騎軍の弩弓隊に矢を打ち込まれて絶命した。

 筈だったが、息を吹き返した。龐煖は傷だらけの身体を引きずり更なる武を極めるために深山で修業した。そして、また戦う。

来い 王騎! 九年前の屈辱に顔をゆがめ、嘗ての古傷からは血が出る。今のお前を砕くために吾は来たと吼えた龐煖は、向かってくる王騎を真っ向から立ち向かう。

哀しみの鬼vs.執念の鬼 九年前に受けた傷に怒りをたぎらせた鬼武者達が刃を叩きつける。刀身すら見えない凄まじい戦いがまた繰り広げられる。王騎の鎧が砕かれ、龐煖の顔傷がさらに急所に近くなる。激しい戦いは脇の兵士達にまで届いて少なからず瞬殺されていく。

 だが、龐煖の大矛が次第に押されている。深山で更に修行を重ね、李牧という男の使者から趙軍への誘いを受けたのは、自信があったからだった。人の到達出来ぬ武の極みに達した筈の吾が、王騎の刃を弾き返すほどが適わない。

 この男の何処にこんな力がと龐煖の問いに王騎が見透かしたように答える。

 十三の頃より数え切れないほどの戦場を駆け回り、数万の戦友を失い、数十万の敵を葬ってきた。その彼らの思いが私の双肩に重く宿っている。もちろん摎の思いも…。⇒(。>0<。)そんなに大事に思っていたのですな、唇将軍様

山で一人こもっている貴方には理解できないことだと王騎は己と龐煖の差を思い知らせる。

心技体、全てを揃えた王騎の底力炸裂!!! 嗚呼、やはりこの漫画より熱い作品は存在しないわ。。。

  quotation:義風捫虱堂「思い vs. 執念」 090711

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