信発キングダム 355話
#「特別功」
合従軍が斉の地で解散してからおよそ一か月後――
信、蒙恬、王賁は久しぶりに三人揃った。信は蒙恬に重傷とか死んだとか噂になって田が元気で良かったと最初に声をかけた。 蒙恬は本当に死にかけたよと返す。 王賁にも蒙武軍で合従軍の背を討ちに行ったんだってなと話を振る。舌打ちする王賁だったが、お前らが情けなく寝込んでいる間になときついながらも話をする。信は蒙恬と一緒にするんじゃねーよと笑い飛ばし、俺の方はあの龐煖と戦って撃退した傷だからと余裕で返す。王賁は仕止めていないのに浮かれるな、バカと言い返す。 せっかくの好機、俺だったら確実に息の根を止めて首級を挙げていたと。
王賁の言葉に信が怒って、龐煖見たこともねーくせに、てめーなんかにあれが討てっかよとまくしたてた。王賁も貴様が追いつめる程度、俺なら間違いなく仕止めたと口喧嘩になる。蒙恬がまーまーまーといつものように宥め役の番になる。二人を収める蒙恬がまーしかし、やっぱり今回ばかりは信が頭一つ抜けた武功を上げたと思うよと客観的な意見を下す。王賁も黙してそれを認め、信は笑顔でそれに頷く。 でっかい見返りがあるといいなと信にいう。信は嗚呼と応じると、いくぞ二人ともとその場に向かおうとする。仕切ってると笑う蒙恬、機嫌悪い王賁。
論功行賞 正殿に文武百官が勢揃う。玉座から降りてきた大王(政)より皆の者、亡国の危機を脱した働き真に大儀であったと礼を述べる。
大王は各所の将達、蒙驁・張唐・桓騎・王翦・蒙武・騰・麃公の功を褒め称える。その中で戦死した張唐と麃公を秦国の損失として悼む。それゆえに今回の七将の働きに序列をつけることは難しいとし、一将だけ除いて六将には等しく国防の“特別大功”を授けると言う。
軍総司令・昌平君からあえて一将を別としたのは七将の中でもひときわ武功の厚かった者、この者を此度の大戦の第一功とすると説明する。その軍総司令の口から出た第一功の名は、
第一功! 蒙武将軍、前へ! 場に喊声が挙がった。来輝以下蒙武軍、文官、信に息子・蒙恬もこの指名に喜ぶ。昌平君から合従軍最大の難敵・楚軍総大将の汗明を討ち取り函谷関の戦局を決定的なものとした事、更に合従軍を追撃して大いに破った事を挙げる。第一功に刻まれてしかるべきであり、軍総司令としても礼を言うと添えた。戦友の声にフッと笑う蒙武。
蒙武将軍:爵位二階級昇進、竜尽・春尽の地、金三千、宝物十点が秦王より授けられた。
他の六将:爵位二階級昇進、土地、金三千、宝物十点が秦王より授けられた。 桓騎の部下達も悪くないと好評だった。
しかし、大王はこの七将に次ぐ武功を讃える“三つの特別準功”があると言う。昌平君がひとつひとつその名を挙げていく。 一つ目は、
(*^ω^*)ノ彡蕞の住民キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 一般市民でありながら国のために命を投げ出して戦いぬき李牧軍を撃退したと説明された。群臣たちも勿論異議なく、共に戦った信は間違いないと顔がほころぶ。
蕞の住民:全員の爵位二階級昇進、手厚い金品を授ける。 ありがとうと大王自らの労いの言葉を受けた蕞の代表は涙声で賞を拝受した。 そして、二つ目は…、
山の民の王・楊端和とその一族!! ;:゙;`(゚∀゚)`;:゙嗚呼、世界の拡がりが見え始めるぜぇ。。。 山の民の者がいるので群臣たちが驚きで場が静まる。
彼らは繆公の時に秦国の危機を救った馬酒兵の一族であり、四百年の時を超えて我らは再び彼らに救われたと大王自ら場の皆に説き聞かせる。山の王・楊端和は山界の戦いの最中ゆえに代理の者が来ていると。 秦国は
楊端和に大上造の爵位、宝物三十点を寄与、この先は彼らと再び国交を開いていくと宣言する。 場のほとんどは思わぬ国交の拡がりに驚く。しかし、信は共に戦った山の民達との交流に心から喜び、真っ先に声を挙げる。それにつられて周りからも声が挙がり、場が歓声に包まれたのだった。 それをきちんと見ていた大王と昌文君の顔はにこやかであった。 それでは三つ目、今回の特別功の最後と昌平君が切り出す。最後ときいて信や蒙恬まで緊張し始める。 大王はその者の功を言い始める。
大王「この者は合従軍との初戦で趙の将軍・万極を自ら討ち取った。 秦の復讐に燃える趙の万極を倒したことに文官たちはまず声を挙げ始めた。
その後、南道の李牧軍を麃公と追い、これと戦い刻をかせぎ蕞では最激戦となった南壁の将として自ら先頭に立ちこれを守り抜いた。 盛り上がってきた文官の側で壁と介億はもうその名は分かった。
そして、最後にはあの三大天・龐煖に立ち向かい一騎打ちの末にその手で秦国の武威を見事に示した。 龐煖の一騎打ち、一人でそれほどの武功を、悪名高い万極の首も大きいと周りから称賛の声が尽きない。 さすがにそれは王賁や蒙恬を認めさせるほどの声だった。
飛信隊 隊長 信 前へ。」 ぅぉぉぉーヽ(゚ω゚ )ノヽ( ゚ω゚)ノヽ(゚ω゚ )ノぅぉぉぉーヽ( ゚ω゚)ノヽ(゚ω゚ )ノ ぅぉぉぉー最後のオオトリキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 信がオオと一声で応じ、政の前に進んでいく。
道すがらの大将軍たち 蒙驁は笑みがこぼれ、蒙武はなぜか納得げな顔をする。桓騎はそう言や前回も確かと思い出し、王翦はその者へ視線を向け、騰は王騎将軍のような声を出し、録嗚未はマジかとひどく驚く。
大王の前に出てきた信。近くに来てよく見えた信の顔に文官たちは、最後の功労者が山陽戦でも武功を上げていた少年だったと思い出し始める。
飛信隊隊長_信:爵位を一つ昇級、住居のある“風利”の地を拡張、金五百、宝物五点を授ける。 また、
現在“千人将”の地位を格上げし、“三千将”とする!
文字通り飛び級キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
あ
あんなボロの少年が三千将に皆は驚くばかり。そこに先ほどの山の民の代理が手を挙げて喊声を上げ、それにつられて皆は若年の三千将昇進を祝福する。⇒山の民のいきな演出ですな。一足飛びの昇進に王賁は悔しく、壁は並ばれたと複雑な表情であった。蒙恬は素直に祝う顔…。
(゚m゚*)また政と信、戦友たちの論功行賞。どうした、今回は騒がないのだな、嬉しくないのかと政が声をかけてきた。信は嬉しいさ、飛び上がるほどになと喜んでいた。だが、見えてきたからはしゃぐより興奮しているのだと。
四千、五千、あと三つで“将軍”だと自分たちの宿願を口にする。お前も急げよと目の前の友たる大王から賞を拝受する信。分かっていると政は友に心からの賞を授けたのだった。
o(*^▽^*)oああ、素敵なほのぼのした気持ちになれるぅううう。
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