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ローゼンメイデンTALE62 世界の深淵に触れます

#「邂逅」

 お父様の時間を組み替える? そんなことができるのかと大ジュンが小ジュンに訊く。 大ジュンの心配をよそに小ジュンはさっさと行動に移る。漆黒の闇で指先すら見えなかった。だが、その存在を近くに進むほど感じ取っていた。

 そして、たどり着いた「天蓋の大時計」

時空の概念が曖昧なnのフィールドはこの針を廻す事で世界に干渉してきた 永きに渡り時を見降ろしていたこの宙(そら)はきっと彼そのものなんだ 意識の深くに繋がる唯一の――ここは

彼の心臓――

 ジュンの前に人形劇のおじさんが現れた。ジュンはこれはいつか見た人形劇だと察する。おじさんは語り始める。

どうして人形を作るのか? それは「少女とは現象である」と。⇒ ∑(=゚ω゚=;)変態さんですか…。 
 空に浮かぶ虹、道の果ての逃げ水、どこまで追っても届かない、時が経てば消えてしまう。だからこそ美しいと。だが、それを永遠に留めようとしているのが私だと言って、おじさんはジュンに何かを見せようとする。

 ジュンに見せたのは自分の娘、死んでしまった娘の姿だった。彼女は死により消えてなくなり、死により永遠となった。 ジュンは考える、現象を永遠たらしめる…そんな事が可能なのかと。この命題は矛盾とパラドックスに溢れていると感じる。 

 あなたはお父様〈ローゼン〉…? おじさんはそう呼ぶ者もいると肯定する。さてしかし、名前など便宜上のごく些細なもの、物の本質を示すには至らないと。永きをさ迷ううちに私は本質を失い、もう人と呼べる存在ではなくなってしまったと話す。 人間じゃないのか、生まれた時からずっととジュンはきいた。 
 昔はたしかに人間だった…娘を亡くした哀れな男だったと答える。命を模し命を創り続ける、幾千幾万の命を模したころには思い出せなくなっていた。何のために創るのか、何のために生きるのかと。 そして、たどり着いた結論は…、

至高の少女を創る。 それだけが私を動かす唯一の存在理由・存在証明だと。人間を創りたい…、ただ形をなぞるのではない生命そのものを創りたいのだと思うようになった。 どうすれば…。 
 ジュンはおじさんの中にさらに奥に入った。そこは工房だった。土は地球の記憶を持っている、それを水で捏ね合わせ火で焼き風で冷ます。神の所業のようだと言う。 それだけでは到底足りないと、私の人形なら魂がなくてはと考える。 
 ローザミスティカ それは砕けてしまった私の心の欠片、私の想い、私の中の私の娘だと。そんなおじさんに近づき、顔を見ようとするがおじさんはすでに顔は無く、空っぽだった。 ジュンはいくつかおじさんに質問をする。

 問)なぜ…ローザミスティカを7つに砕いたのか 

 答)分けたのではない。あるべき物になるべくしてなったのだと。人間が欠けていてこそ人間であるように。欠損を埋め円環を目指すものこそ人間なのだと人でなくなって知った。
 私は美しい物しか創れない。不恰好で不完全で泥にまみれてもなお輝くものを創れるのは神の御手だけだ。 喜びも悲しみも怒りも憎しみも、愛も美しさも醜さも何もかもを内包するもの、そういう人形を創りたいと私は思ったから。
 私は生きた人形を創りたかった。 私の娘たちに粉うことなき生を、今度こそ与えてやりたかったんだ。

 お父様はアリスを探しているのよ。たった一人でずっとずっと

 ドールたちはそう思うが、お父様はそれでも創りたかった、創らずにはもういられなかった。叶わない届かないとわかった今でもそれを求めずにはいられなかったお父様。

  「アリスゲーム」

こうしてそれは生まれた。 箱庭の少女人形たちが傷つけあい穢し合いそれでも生を手にするためのもの。 なぜなら闘うことは生きることだからだ。

 お父様の気持ちを知ったジュン。僕はお父様は勝手なやつだとずっと腹が立っていた、会ったら人形達に代わってどんなことを言ってやろうかと…。

 戦うために生きているとは僕は思わない。生きている、それだけでもう闘っているんだと。⇒ (≧m≦)自分なりの戦をついに見つけたか…。人はそれをと呼ぶのである。 弱い僕でも闘ってる、生きているんだって真紅たちは僕に教えてくれたから。ジュンはお父様もはじまりはきっと僕と変わらない、うまく生きられずにそれでも生きてもがいたんだと。

 お父様は訊く、私の娘たちは生きていただろうかと。 ジュンはああ、この上もなくと答えた。 ジュンはお父様にお願いをする。

 アリスゲームを止めてくれ。 もう充分だ、彼女たちは精いっぱい戦って傷つけあった、もう充分だと。

 だが、ローゼンは私にはできないという。もう形而上の存在でしかないからだと。それができるのは…。しばらく間をおいてローゼンはジュンに問う、きみにその覚悟はあるかと。

|∀・)最終局は最終コーナーを回った。

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