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献公

#404「呂氏春秋」

 

 呂不韋と客たちが見守る中、汗をかきながらも老人が書簡に文字をしたためる。その手が止まると、できたかと呂不韋。老人がはいと答えると、皆が一斉に呂不韋を称える。

 

始皇八年にあたるこの年 呂不韋とその上客たちで長年に亘り編輯ヘンシュウしていた一大書物が完成している

 『呂氏春秋』 ⇒八覽から呂覽ともいわれる

その時代までに存在したさまざまな史書・思想書・学術書“十二紀”〈「八覽」「六諭」は後年弟子たちが完成させた〉に編輯し“礼”や“音楽”“気”の扱いから“兵事”“農耕”などとあらゆる人の営みについての答えを網羅した大事典である。
 この書物で最大の発明は「時令」にある一年を十二に分ける“月”の発想であり一年十二か月という形は現代にまで続いている。
「時令」はそれまで漠然と自然の流れの中で生きていた人々に四季と各月の区分の中で具体的にどう生活を営むべきかの解を示したのである。
 また後世においてはこの書物が儒家・道家・法家など異なる思想の書の内容の集合体でもあるため戦国末期までの中華思想を読み解くことが出来る大歴史書ともなっているのである。

Σ(・ω・ノ)ノ!―が やはり 「呂氏春秋」と言えば「一字千金」のこの逸話が一般的に有名であろう

 咸陽で呂不韋の呂氏春秋が民の前で公開される。 そして、皆の前で一人の貴族が声を張り上げる。 呂不韋相国からの御触れであると。

“この書に「天下の万物 古今の物事」全てを記してある。儒家であろうと法家であろうと何者でも構わぬ。この書に一字でも書き加えることができたならばその場で千金をとらせてつかわす!!” それを聞いた皆に歓声と驚きが広まる。

ψ(`∇´)ψ「一字千金」呂不韋らしい派手な逸話である。

 皆の驚きを屋敷の上から見る呂不韋に満足そうに笑い声を発し、自信満々の顔だった。そこへ蔡択が現れる。

 相変わらずおかしなことをやってると蔡択はお主の書にケチをつけられる者などおるまいてと皮肉を交えて話す。呂不韋はどうぞ私の愚作を見てやって下さいと言うが、既に蔡択は読んでいた。 改めて蔡択が傑物、乱世に文の道でも名を残すぞと畏敬を込めて答える。ありがたくと呂不韋はその賛辞を受ける。 

 話を変えて蔡択がせっかくの大作がえらい刻に出来上がったものじゃと皮肉を言う。しかし、呂不韋は後宮勢力ですかとどこ吹く風だった。意外じゃなと蔡択が探ろうとする目を放つが、当人はいやいや大変ですと振り向かず答える。

 

ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ 呂不韋が文の道で偉業を為している間、正殿では武の方面で揺れに揺れる。  嫪毐、山陽長官交代、太后様が宮家と共に山陽に入った等々情報が飛びかうが解決案が誰からも出ない。ようするに後宮勢力がやりたい放題状態だった。 

 あまりの勝手ぶりに昌文君がキレて呂陣営はなんで連中を御しておらぬ、後宮勢力はそっちと袂を分かったかと喰ってかかる。いきなり名指しされた李斯は余計なお世話と左丞相の言を退ける。

 玉座で考えた後、政は昌平君に問いを向ける。 大王派でもない昌平君への問いに李斯も昌文君も驚いてそちらに視線を向ける。 政の言葉に昌平君が返事する。

 最前線基地の山陽・著雍の長官を入れ代えて現場に混乱はないのか、敵に急襲されるのではと不安を交えて右丞相に問う。 昌平君は魏はすぐに大挙して出てくる力はないが、李牧のいる趙は警戒する必要ありと答える。 現場への対処として介億に山陽に向けて送っており、彼なら何か嗅ぎ取って戻れるとまとめる。そんなことまで大王に言うのかと呂陣営の者が思うほどその答えは詳細だった。 

 その昌平君は李斯に探りは失敗に終わったのかと話を振る。単発で終わらすな、細部の探りはお前に任せると。後宮勢力は金がある、それが外で身勝手に動き出すと誠に厄介なことになるぞと忠告するのだが…。

 著雍  orz飛信隊からも兵が徴集されていた。。。

 著雍から一万を持っていくと言われ、信はこの前も一万持っていったばかりでどういうことだと伝者に喰ってかかる。 伝者も知らないので新しい山陽長官が軍配備を一新すると言われた通りの受け答えに終始する。 軍師の貂も著雍にこそ兵が必要なのに山陽にもってくのかと食って掛かる。二重に言われて困る伝者。
 しかし、思い出した伝者は命令書を出して今度は山陽じゃないと言う。どこと貂がきくと、伝者が困惑した顔になって答える。 太原だと。 意味不明の命令に貂はでっかい呆れ声を出す。

 (・∀・)イイ! 合従軍戦以来、渋い役で出番増えた介億さんは情報を集める。 北の“太原”に人が集まっている。近隣の兵から流民、果ては嫪毐と太后まで向かっている等々。太原で何かが起こっていると介億が不穏な動きを掴み始める。⇒ ((・(ェ)・;))介億さん、なんか顔が王騎将軍に似てきてない(笑)。。。

 

太原 山陽と著雍からはるか北。成蟜の変が起こった屯留よりもさらに北に位置する秦国極北の都市。⇒ (ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ どこぞの歴史漫画の主人公のモデルにもなったお人の末裔さんが王朝を打ちたてる前に反乱起こした土地だったな。 最北の国境を守る要であるが近年は戦が中華の中心に集中したために注目される地ではなかった

ヾ(.;.;゚Д゚)ノ太原大変。 集められた流民は早速に仕事を割り振られる。軍馬、武器が続々と集められる。壁が強固に高く修築される。 その中に太后と嫪毐とが数多の家来の出迎えと共にやってきた。 そして、太原に旗が揚がる。

 急報を持った伝騎が咸陽へ駆け込む。

 

『又以河西太原郡、更為毐國。』:河西の太原郡を改めて毐國とした。 (「史記」秦始皇本紀始皇八年より) 

 大王、相国、左右丞相以下群臣が揃う正殿に伝者は急変を報告する。 一昨日に太后様と嫪毐様が太原に入って一帯を毐國とすると宣言されたと。 正殿のいる者ほとんど驚かぬものは無かった。

 

 

⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ピクピク ど、ど、毒、独立宣言ですかあああああ!! やっちまったわああ。。。  かつて春秋時代で晋を強国にした献公は妃のせいで二代にわたって衰退してしまったが…。

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