終わりと始まり
#441「宰相の席」
李園と媧燐の一対一の会談。 誰にも聞かれぬように場所を移した李園と媧燐。 廉頗も外され、項翼や白麗は遠くから眺めるのが関の山だった。
媧燐から切り出す。今回の騒動は全容が分からない、なんで春申君を殺したのかと直接に李園に問う。酒を注いでいる少女に気を遣い、後は自分がやると下らせる。
李園が答える。孝烈王には子供が生まれなかったと。それはみんな知っていると媧燐が言うのを待たず、李園はそのまま話す。その流れでいけば王弟君が次の玉座につくが、その弟君の異常性が王宮の大きな悩みの種だったと。⇒ソンコウ、フセイみたいな人物なんでしょうか。。。 このままではこの大国が暗君の船に乗ることになると危機感を抱いていた。
そんな時に私の妹が春申君の子を身籠った。その子を王子とするのが国の行く末を思った孝烈王、春申君、自分の三人の苦肉の策だったと明かす。媧燐は王家の血脈まで変えてもかと聞くが、李園は肯定する。
媧燐は、んで春申君が凶刃に倒れたのは何故か、全部欲しかったのかと問う。 李園は王の死後、春申君が突然に暗君より裏で血脈を途絶えさせる方が罪深い故に王位は王弟に継がせると言い出した。 なぜ急に変わったのかは自分でもわからない、あの方が寸前で怖くなったと思えないのだがと。
しかし、自分はその申し出に賛同できなかった。船は走り出していた。今更降りれば死ぬ、画策に加わった自分も偽りの子を産まされた妹も。
媧燐が身内愛のために春申君を殺したのか、爆笑とその軽い理由に笑う。だが、李園は何故笑う、君も少女の時に唯一人の身内の弟を探して荒野をさまよっているではないかと切り返す。 自らの過去を突かれた媧燐。死にてぇのかお前と微かな怒りを込めて言う。 李園は今のは他意はないと失言を詫びつつ、自分も必死であることを分かってもらいたいと心情を吐露する。
必死さあまって刺客送ったのかと聞くと、お互いになと李園は答える。そして自分が生き残ったと。
事の重大さは誰よりも理解しているつもりだと李園はこれからの事を語り始める。
列国の牙が向かってくる前に背骨を失ったこの国を立て直さなければならないと。 だったらてめぇが一人で宰相をやれよ、元々席は一つだと媧燐は難色をしめす。
しかし、李園はそれでは普通の国として復活するだけだと答える。 東の大将軍・項燕が以前に楚国はまだその力を最大限活かしきれていないと言っていた。 彼が思うならば君も感じている筈だと媧燐に問う。
貴殿が政事に興味がないことは知っている。だが、過熱するこの戦乱期に対しこの大国をどう再構築すべきか戦いの天才に導いてほしいと李園は媧燐に懇願する。 力を貸してくれと。
―媧燐は宰相の席に着いた。 咸陽の昌平君にその知らせがもたらされる。補佐の介億も全くの予想外と言うほどだった。李園は変令を用いて臨時の二宰相制にしたと。昌平君が密偵の報告では皆、宮中が一つにまとまっていると伝えてると介億に話す。あれほどの大乱をほんの一月あまりでと収束の早さに介億も驚く。
李園という男、我らが思った以上にやり手ということなのでしょうか。昌平君も李園を認めざるを得なかった。更には前任の春申君と違い、媧燐は生粋の軍人で騰や蒙武を出し抜くほどの知将が宰相に着いた点を重視する。 介億は殿、李牧に続き楚でも軍略の天才が宰相の座についてしまったとさらなる脅威を感じる。
それだけで簡単に全てうまく行くと思えないがと昌平君は言うものの、想定していた楚急襲作戦を破棄して様子見に切りかえるのだった。⇒硬直し、変更できない作戦計画は軍事では危険。
飛信隊 羌瘣と信がまた真剣で練武している。呆れて眺める貂。尾平たちは笑いながら観戦している。 そこに渕、我呂が来た。本営からの指令を聞くために。
本営から早馬で来た指令は楚ではなく趙攻めに向かえとの事だった。戦いつつ信が趙のどこだと貂に聞く。
貂は黒羊丘、かなりでかいと。 我呂が黒女川の五丘地帯、くそ攻めにくい地だと話す。貂はその一帯を守っている趙将についても気がかりだった。 我呂が飛信隊単独の戦いの規模じゃない、渕は総司令の作戦はと貂にきく。
黒羊攻略の本隊五万が乾水を渡って東に進んでいる、その軍に合流せよと。 その兵数は大軍として十分だった。信は誰の軍だと貂にきく。貂はそれはと何故か言いよどむと、近くで騒ぎ出した。 伝令と声高に叫ぶ騎馬が入ってくるが、皆はそんな怪しい伝者がいるかと騎馬を止めようとする。
Σ(;・∀・)オギコが飛信隊本陣に伝令に来た。上半身は何も身にまとっていないその者に信たちが不審に思う。
Σ(・ω・ノ)ノ初めて媧燐を嫌キャラから外してみることが出来た!
どうやらそれぞれ秦に対する列国の体制を描いていくのかな。
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