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#443「化け物たちの出陣」

 尾平は自分の部隊に戻り、昴たちに桓騎将軍のことを話して聞かせる。男なのに色気がある、かっこいいと仲間に話していた。尾平が話しているのを聞きつけた桓騎軍の将校は入れ替えでこちらに来ないかと誘う。 勧誘、しかも女性同伴可の条件と聞いて昴や慶は信が止めるだろうと思う。けれども、尾平は昴に信には黙っとけと口止めさせて部下数人と桓騎軍に入っていった。

 翌日、その将校は飛信隊の幹部たちがいる天幕にやってきた。兵の入れ替えを持ち掛ける。桓騎軍ではよくやることで変幻自在のお頭の戦い方に対応するために必要なことだと言う。その将校は桓騎将軍側近の那輝と名乗り、千人将の階級だった。那輝は桓騎軍の意図を伝えられるから、こちらにおいてくれと言う。加わるといっても端で静かにしているからと。
 羌瘣は入れ替えならこちらからも桓騎軍に誰かを送るのかと言う。信は渕さんかなとさらりと言う。 何でですかと渕さんが涙が出るほど嫌がる。しかし、那輝は心配いらない、既に最古参組の出っ歯君が昨夜、桓騎軍に入ったからと既成事実を明かす。

 桓騎将軍が自分の天幕から姿を現す。中には昨晩に抱いた娼婦たちが寝ていた。 さあて行くかと出陣を命じる。 桓騎軍の合図だと那輝が信たちに教える。信もすぐに飛信隊に出陣を命じる。 桓騎軍五万と飛信隊八千(信5,000+羌瘣3,000)が黒羊丘攻略に向けて出発する。

 その黒羊から80km離れた離眼城では…

 城内が桓騎軍襲来に恐れおののいていた。 迎撃に出る兵隊の中には母親がその身を案じる姿もあった。 それでも出陣する兵士たちには悲愴感はあまりない。なぜならこの離眼城城主・紀彗がいたから。 

 城内の兵を率いて出陣する紀彗将軍。兵にその強さを信頼され、城の民たちからも慕われていた。出陣前に子供たちは将軍を慕って集まり、紀彗も子供たちに強くあれと優しい言葉をかける。 兵たちは将軍は化け物というが、我々の総大将もと城外の気配を感じる。趙の中枢からも援軍が来た。

 久々の沈黙の狩人・慶舎登場! 慶者が軍を率いて離眼城の外まで来ていた。紀彗軍も城外でお出迎えする。 慶舎は今でも趙で三大天の席に最も近い将軍と名を轟かせていた。 彼は紀彗に声をかけ、じっと観る。 

 離眼と共に戦えを李牧様が言っていた意味が今わかった、お前は私と同じ‟匂い”がすると武将の質を感じ取る。 その場で慶舎は紀彗を副将に指名した。 獲物は桓騎と飛信隊 信だと。 趙軍は慶舎三万、紀彗四万の七万で黒羊に向けて出陣した。

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Σ⊆(・∀・⊂⌒つ 双方共に凄惨な戦いが好きな総大将に人望熱い援軍の将。

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コメント

CIC担当殿、コメント万歳であります。
>味方の援軍が消えたという噂があるという事と、ひょっとして何か関係があるのでしょうか?

 援軍を飲み込んでしまうとか? でもそれだと中央にばれるからううむ…。

>読めない相手との戦い程、疲れる戦いはないなと思いました。

 孫子の兵法ですね。 兵は無形が最上と。

>同じ戦うにしても罠を仕掛けてそこに嵌まる様に仕掛けたり、或いは弱点に一気に戦力を叩きつけて撃破する方がやはり理想的。

 結局、そうなるとパットン将軍の名言が勝つ将軍の作戦に行き着いてしまうわけですね。相手に合わせるより自分の作戦に相手を合わせる。

>そう言えば、呂不韋の処罰はどうなったんでしょうか?

 呂不韋は負けましたが処罰は結果が出ていません。

投稿: うしつぎ | 2015年8月30日 (日) 19時32分

こんにちわ。
CIC担当です。

>桓騎軍ではよくやることで変幻自在のお頭の戦い方に対応するために必要な
>ことだと言う。
 何か、引っかかりましたね。
 味方の援軍が消えたという噂があるという事と、ひょっとして何か関係があ
 るのでしょうか?

>久々の沈黙の狩人・慶舎登場!
 こいつか…。
 函谷関の戦いを見ていて、「こいつほどやりにくい奴はいない。」と思いま
 したからね。
 シミュレーションゲームの話になりますが、私自身敵の動きをよく見て自分
 のユニットを動かして弱点や、ほころびを作れそうなところを見繕っては攻
 撃を集中して敵陣を崩していくので。防御にしても相手が攻めるポイントを
 動きから読み取って、戦力配置や陣形を変えますので、ああも動きが見えな
 い相手は不気味でしょうがないだけでなく、迂闊に動けませんしとにかく相
 手の策を読もうとしますから精神的に疲れます。
 第二次大戦を自分なりに書いている小説でも、似たようなシチュエーション
 をほぼ同数のドイツ軍と日本と周辺国の連合軍で書きましたけど、読めない
 相手との戦い程、疲れる戦いはないなと思いました。
 下手に動いて損害を被ったら目も当てられません。ドイツ軍側も同様でした
 が、同じ戦うにしても罠を仕掛けてそこに嵌まる様に仕掛けたり、或いは弱
 点に一気に戦力を叩きつけて撃破する方がやはり理想的。
 ヒョウ公と桓騎は戦い方はまた違いますから、慶舎への印象もまた違うでし
 ょうが今迄とは別の戦い方が必要だと思いますね。
 或いは、罠にはまってもそれを引きちぎる攻撃力やそれに対して素早く対応
 できる戦術的というよりは戦略に近い機動力が必要になると考えます。
 李牧が出てくるよりはマシですが、相当に厄介ですね。
 さて、どうなることか…。
 でもこういう戦い程、読んでいて面白いんですよね。

 そう言えば、呂不韋の処罰はどうなったんでしょうか?

投稿: CIC担当 | 2015年8月29日 (土) 00時14分

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