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#460「飛信隊の楔」

羌瘣たん未だに負傷中。

 斥候に出た羌瘣は黒羊丘にある村に立ち寄る。 近くにいた老婆に集落の長に秦と趙の戦争が始まるから皆を非難させろと告げる。 その老婆は私がその長だと答える。 村の長はその口調だとあんた秦人かいと騎馬の女武将に問う。 羌瘣は黙ってたが、長には分る。忠告しに来るくらいなら最初から他人の土地に入ってくるんじゃないよ、侵略者と反論する。 それでも羌瘣は退避をと言うが、長は失せなと拒否した。

その後、羌瘣は負傷した姿でその村に落ちてきた。長は小屋の一室で寝かせた。夜になって羌瘣の様子を見に行く。途中で羌瘣の愛馬を見る。 まだ起きていたその愛馬に早く休みナと言葉をかける。一度来ただけでこの集落の場所がよくわかったものだと感心する。

それから羌瘣の小屋へ向かう。悪い娘じゃないので最善は尽くすつもりである。今夜が峠だと思って扉を開けると、目の前に羌瘣が立っていた。 羌瘣はそのまま老婆の前にぶっ倒れた。いきなり起き上がれるわけないだろと声をかけるが、羌瘣には聞こえていなかった。 戻らないと、飛信隊の元へとつぶやく羌瘣に老婆は気になる。

黒羊戦 三日目

 飛信隊が攻めまくる。 防戦する馬呈の趙軍は中央、左右も押し込まれていた。馬呈が出ていくとそこだけ力を抜いて躱し、他で戦果を増やすのだった。 飛信隊の攻めの強さにどこをどう止めればいいのかわからないと馬呈はイラついていた。 軍を広げ過ぎ、一度横陣を縮めて縦に強くしろと言う者があった。

 劉冬復帰! もうよろしいのでと部下の言葉を馬呈が拳で遮る。血の気の引いた顔色で怪我の深さを察する。 こんな状況にしたと馬呈が詫びるが、ここまで不在にした俺の責任と劉冬も詫びる。 立て直せるかと聞かれると、向こうがこのままだったならと消極的に答える。 飛信隊次第。。。

 貂と信の下に部隊長が集まって武功を報告していた。どれも勝報ばかりで不在の羌瘣隊だけだった。朱亥や田永らはいいところなのにどうして部隊長たちを集めたんだときく。 貂は前線の押し込みはここまでと皆に告げた。

 今、右の戦場の主導権は完全に俺たちが手にした。これからそれを桓騎軍全体のものに広げると言う。 全体の言葉にわからない部隊長たちに貂は戦略を言う。

  1. 隊を一、九に分けて一をここに留める。
  2. 九を横に移動する。
  3. 左の中央丘を目指す! ⇒我呂と信は流石に気付いたようだ。

 馬呈・劉冬隊が飛信隊の戦略機動に気付く。  前線部隊に戻った田道隊が一番早くそれに気づいた。 
 報告を受けた馬呈・劉冬本陣。側近たちはここまで前線を押し込みながらと笑い、一気に攻勢に出て盛り返しましょうと息巻く。 しかし、馬呈と劉冬は逆に顔が曇る。狙いは中央丘にあり、向かう先には紀彗様がいるのだった。いかに城主でも足下に楔を打ち込まれたらと劉冬は敵の狙いに震撼する。 敵のキレ者は桓騎だけではないと劉冬は飛信隊の軍師の力を認め始める。

飛信隊の軍師は今 右から黒羊全体の戦局を動かすつもりだ!

 足下に迫られた紀彗軍。 ここにきて馬呈・劉冬を後手に回す程の力なのかと紀彗は飛信隊の脅威を感じる。李牧様が名指しで標的の一つとしただけのことはあると…。 
 すぐに下方に前線を引く紀彗軍。前に出ていた迅・烈隊を中間まで戻す。突然、足下に現れた飛信隊に対し紀彗は軍の三割を下方防戦に回した。

 この時に軍の力と注意が割かれ、ここまでつけ入る隙のなかった希水軍に“歪み”が生じたことは…、

 紀彗本人にも

 相対す黒桜にも分かった。

 そして、この場にいた指揮官たち(慶紀黒貂)全員が同じ事を考えた。

 この瞬間をあの男が見逃すはずはないと!

 桓騎が動くのを待つ紀彗と慶舎。 貂はうまくいけば三日目で丘の右半分を取れると言って、信を驚かす。 もしかしたら、それ以上かもと貂はさらなる戦果を思うのだが…。

Photo

(*゚▽゚)ノ 麃公将軍の台詞を思い出すなぁ。(信の初陣の戦の頃)

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