秘匿するものは
#461「黒羊の大一番」
┗(^o^)┛祝パーン、連載十周年突破!!
飛信隊が中央丘に布石を打った頃、
黒桜隊は戦闘準備を完了していた。三日目にして早くもこの黒羊の大一番になりそうだと黒桜が興奮気味に言う。
丘右の麓では飛信隊も戦闘準備を済ませていた。部隊長が続々と配置につく中、河了貂だけは動けないでいた。 娘軍師は攻め手が多すぎて桓騎将軍がどう動くのかが分からなかった。
信がそれを問うと、貂は今の桓騎軍はこの上なく贅沢な戦況にあると答える。丘の右にいる趙軍(紀彗軍)を黒桜、飛信、別動隊の三手から攻め叩ける。戦果はどれも大きいが、そこからの攻略の道で丘を奪取する範囲が変わるのだと。 頭脳派の将軍、我流で策を産み出せる“天才”、味方の桓騎将軍の動きを貂は推し量ろうとする。
その桓騎将軍ことお頭は猛る部下たちの前に現れると、オギコを呼べと命じた。
狙われている紀彗軍は盾兵を揃え、対飛信隊守備を整えた。前方も配置を完了させる。海剛将軍が予備隊を使って前方の盾兵を厚くしてはと具申するが、紀彗は敵がどう動くかわからないから、外を固め過ぎずに柔軟さを保っておくと答える。
刻との勝負、足元の飛信隊に劉冬たちが着くまで堪え切れば反撃の芽がでてくると睨んでいた。司令官の慶舎に中腹まで下がってもらうように伝令を出す。万一のことを考え、退路を確保するための手だった。
だが、慶舎は聞かなかった。 獲物が来ると、桓騎の攻撃を欲していた。匂いを嗅げば、足音から鼓動が伝わり、お前の心臓を握りつぶせると。薄く笑う慶舎将軍を見て部下たちが震えた。
今 正に両軍の主要な目が桓騎の一挙手一投足に集中した
だ が
日 が 中 天 に 差 し 掛 か っ て も
午 後 に な っ て も
味 方 が 桓 騎 の 下 に 伝 令 を 出 し て も
しかし、桓騎は
敵 味 方 の 顔 が 困 惑 し て も
日 が 暮 れ て も
オ ギ コ に 肩 を も ま せ た ま ま
一切何もせず三日目を終わらせた
オワタ┗(^o^ )┓三
ウケるだろと桓騎本人は言って、敵味方全てに肩透かしを食らわせた。 慶舎は目が怒りに染まり、貂も好機を逃す羽目にぶっ倒れる。 信はもとより黒桜と摩論でさえ驚愕する。
紀彗軍は我らの布陣に恐れおののき動けませんでしたと笑う部下もいる。しかし、困惑する紀彗は違う、そんなはずがないと必死に考えを巡らし始める。
こんな日を棒に振る馬鹿などいない、動かなかったが何かをしたと直感でそれを捕らえるが、何かまでつかめなかった。桓騎は何かをした。 紀彗は必死で考える。
( ̄▽ ̄) 廉頗と王翦の戦いのようだ。
あの時も待ち構えている廉頗を尻目に王翦が見事に肩透かしして退却させている。 虚の使い方に長けているなぁ。 敵の精神的ゆるみを誘ったのか、敵の嫌がることをするのが大好きな桓騎将軍の本領発揮ですかね。
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