うしつぎ以外に誰も気づいていないのか▽
#467「狩られる側の風景」
戦場の一寸先は闇――。
慶舎、大ピンチ! 後ろからゼノウ一家に攻撃され、慶舎隊は完全に窮地に陥った。部下たちは慶舎を逃がそうとするが、既にゼノウ一家に囲まれていた。自分たちは飛信隊を狩っていた筈なのに、一瞬で逆に自分たちが狩られているのだった。
秦軍本陣からでもその様子が分かる。リン玉はゼノウ一家に包囲された、しかも慶舎のヤロォは主力を飛信隊分断に出しちまったのも裏目に出たと勝ちを確信、笑う。 しかし、桓騎はそれも計算通りだと言う。飛信隊に食い込ませればその場から動けない事もお頭の作戦範囲内であることにリン玉は驚く。
作戦が図に当たった桓騎は笑う。しっかりと目に焼き付けて死ね、それが狩られる奴の見る景色だと敵将・慶舎に宣告する。 それが今将に慶舎の眼に映る死の景色だった。。。
その頃の離眼城。。。。
子供たちが自分の母親から趙軍が黒羊で敗れそうになったと聞かされ、狼狽えていた。子供たちは慈老先生に泣きそうになりながら不安で騒ぐ。 子供たちに問われた先生は騒ぐなと叱った後、紀彗様は出陣前にお前たちになんと伝えたかと問い返す。
子供たちは“強くあれ”と全員が答える。先生たちは紀彗様の力を信じよと励ます。離眼の悲劇以来、紀彗様は全てをかけて離眼の父として我々のために戦ってくださっている、あの時の血の涙の誓いの通りに…。
先生は大丈夫じゃと再度、励ます。今の離眼の父は誰よりも強い、紀彗様は必ず黒羊で敵を食い止めて下さる!! と。
離眼の父・紀彗がゼノウ一家に攻撃する!! 弓矢の雨を降らせてから騎馬隊でゼノウ一家に突撃する。しかし、ゼノウ一家の面子は離眼兵を逆に蹴散らす。 個の力は向こうが上と見た紀彗は士気で大きく上回るしかないと奮戦を決意する。 慶舎を救うべく紀彗はゼノウに向かう。 だが、待てと慶舎隊の兵が言う間に、ゼノウの一撃が紀彗を吹っ飛ばす。
吹っ飛ばされた紀彗はかろうじて手綱を絞り、落馬を防いだ。 強烈な一撃を食らった紀彗。 これほどの暴力、こんな獣の如き輩だからこそ何があっても黒羊を抜かせるわけにはいかんのだと紀彗は離眼兵たちに檄を飛ばす。 城主に悲愴の檄を受けた離眼兵は猛烈にゼノウ一家を叩きだす。 紀彗は慶舎様の脱出のために踏ん張ろうとするが…。
紀彗の咆哮に桓騎は眉をひそめた。それが趙軍敗北に待ったをかける芽になりうると感じる。 しかし、戦局眼を持つのは桓騎だけではなかった。
紀彗の秘めたる力に最初に気付いた黒桜は即座に動く。 慶舎の首はゼノウに任せ、我々は敵の母体を叩き潰してこの黒羊戦の完全勝利を手にすると黒桜は全軍に命じる。将・紀彗が不在となった丘の右半分を奪うべく、黒桜軍を前面へ突撃させた。
やはりこうなったか。
合従軍の時も飛信隊が背後を突かれなかったのは李白の追撃が迅速でなかったことと麃公将軍がにらみを利かせていたからだったからね。
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