決戦
キングダム第519話
#519「総大将の流儀」
朱海平原…邯鄲よりおよそ西に五十里、鄴より北におよそ七十五里。広大な平野と時折進路を遮る森林と山が混在する地。 名の由来はかつてそこで平野を血の朱に染めた大戦があったのか、はたまたそれが起こると予言したのか―
兵どもが血に染まる刻が迫る――。 つまりこれから南下している李牧軍と北上している王翦軍が激突する場所である。
廟算する両総大将。
李牧、王翦共に斥候と共にすでに現地に入り、そこに立ち、
地形を頭に入れ、そこに‟幻の軍”を現し陣形を組み動かし、
壮絶に戦わせていた。 彼らの戦いは既に始まっていたのである。
鄴の包囲戦 鄴の晋将軍が桓騎軍と趙解放軍を見ているが、顔は険しい。 解放軍は全く近づけなかった。 死んどけぼけぇと吼える桓騎兵に趙軍は苦戦中。更に横からくる騎馬隊(リン玉騎馬隊)で鋭鋒をくじかれていた。
桓騎と共に前線を見る摩論は上機嫌だった。 平地ではリン玉の騎馬隊が活きる、黒羊で樹海で全く出番がないので張り切っていると言う。
鄴城が見えるため趙軍は否が応にも意識が前に行く。するとリン玉の騎馬隊の旋回横撃によって大打撃になり、しばらくはこの手でもちそうですと楽な仕事に摩論は楽しむ。
しかし、そこへ反対側の雷土から報告が入る。 現在は敵三千を圧倒しているが、その後ろ左右からまた二千が近づいているため、後ろにいる黒桜の騎兵一千をどちらかへぶつけてくれと伝者は言う。 全然余裕なんてなかったと摩論はたちまち顔がしょぼくれる。
桓騎は笑いつつも、おもったよりもここも騒がしくなりそうだと戦場の匂いを嗅ぎ取る。桓騎はオギコを連れて雷土の下へ向かう。あっちの方が面白そうだと摩論に言う。
さらに急報が入る。 前方左の森の向こうから全騎兵の新手二千が来るという。 ますます忙しくなり摩論は汗をかき始める。 ひょっとしてここが一番の外れクジなのではと思わずつぶやいた。 横目で見る桓騎はさあなと言って、摩論にこの場所を任せて雷土の方に向かった。 やむなし摩論はリン玉の騎馬隊を離脱させて、新手に備える遊撃の位置に置くことにした。
敵ができることを百通り以上考えよ by某国革命皇帝
名将の頭脳が勝つ手立てを巡らし、浮世から離れている。 部下からの声が彼らを現世に戻した。 全軍が到着したので将校たちを呼び寄せる。 自分が企画した勝利の戦を描かせるために。
それぞれの配下将校たちに作戦を伝える。
秦軍では信がその布陣に戸惑う。傍らの貂に聞くが、貂にも分からない。 羌瘣も布陣を見る目が厳しい。 信が蒙恬の部隊の布陣に不安を覚え視線を横に移す。 部下の陸仙、爺らの顔が厳しい中で長の蒙恬はしばし考えた後に心得ましたとはっきり返事をする。 驚く信に黙する王賁。
趙軍では紀彗が本気で巣かと思わず問うていた。金毛もしかしそれではと不安を覚えて言葉を重ねる。しかし、李牧の決定は変わらない。大胆な策になるとカイネ、傅抵の顔は厳しくなった。
では皆の者、配置につけぃ! 総大将に命じられた配置は、
趙軍
- 中央軍 兵60,000 李牧(総大将)、カイネ、傅抵、金毛、堯雲
- 左翼軍 兵30,000 馬南慈、岳嬰、趙義龍
- 右翼軍 兵30,000 紀彗、馬呈
秦軍
- 中央軍 兵58,000 王翦(総大将)、麻鉱、飛信隊【信・羌瘣】
- 右翼軍 兵25,000 亜光、玉鳳隊【王賁】
- 左翼軍 兵5,000 楽華隊【蒙恬】
凄いワ━━((゜Д゜Uu))━━蒙恬は五千将で片翼任されんのかよ!!!!!!
信は蒙恬を心配する。
だが蒙恬は、まさかうちらが栄えある第一陣とはねと緊張は全く見られなかった。 んじゃ始めよっかとお出かけするかのように隊長の声が全隊士に響く。 行くぞぉおと陸仙が檄をさらに飛ばして、名将同士の戦いの最初の口火を切るのだった。
o(*^▽^*)o 戦国屈指の名将同士の戦いが始まる。実に楽しみになってきた!!!
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