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先登

キングダム第520話

#520「火蓋を切る」 緊張渦巻く武の平原

 

 pout信が荒れていた。 原因は自軍の布陣にあった。

 中央軍に置くなら前か横に並べるべきだ、奥の最後尾に縦列にならぶ自軍に信は王翦将軍の差配に当たり散らしていた。 ここからでは戦場が見えないし、俺らが李牧が怖くて隠れているみてぇじゃねえかと喚く。
 信の言葉を聞いた貂は気づく。 王翦将軍はうちを敵から隠すために最後尾にしたのではと。ならばと貂が将軍の意図を読もうとする。 

 そこへ羌瘣がやってくる。 左側に注意を払った方がいいと言う。 どう考えてもこの戦いは左側から動くと。 貂も全く同感だった。 この秦軍の全布陣では飛信隊の配置よりも…、

 左翼の方があまりに深刻な状況……!! 

event趙軍本陣も偵察の報告から左翼が薄すぎる事に驚きが広がっていた。 金毛が驚く。堯雲が慎重な男だと思っておりましたが意外と大胆ですねと総大将に言う。李牧も同感で、開戦前から仕掛けてくることは意中の外だった。

戦はそれぞれ戦いやすい局面から始めるのが常である。そういう意味で
秦軍左翼の五〇〇〇という数字は極端に少なくあからさまな挑発的布陣、
‟さっさと左翼から攻めて来い”という王翦から李牧へのメッセージである。

 李牧はここで二択を迫られることになった。

王翦の挑発通り秦軍左翼五千に紀彗軍で構成される趙右軍三万をぶつけに行くかor
王翦の怪しい誘いに乗らずそれ以外の所から始めるか――

熟考した李牧はカイネに紀彗へ伝令を飛ばした。 全軍前進秦左翼五千を壊滅せよと!応える紀彗は馬呈を呼ぶ。馬呈が兵達に号令を下した。

李牧の選択は前者であった。

 

趙右翼紀彗軍三万全軍前進 これが王翦軍対李牧軍開戦の号令であった

 秦左翼楽華隊 斥候から敵右翼三万全軍で前進と報告を受ける。 部下達がやはりまともに来るかと不安を抱きつつ、蒙恬を見る。 対する蒙恬はだったら仕方ない、こっちも行こうかと高台から降りる。
 居残る爺が蒙恬様ご武運をと祈りを捧げる。蒙恬はいつも通り、また後で会おうと軽やかに挨拶をする。 それでも爺がたまらずに下りようとした陸仙を引き留める。

 本来ならば儂が蒙恬様の傍にあっていざという時に身体を盾として御身を守るべきだが、この老体では主力の騎馬隊の脚について行けぬこの無念をお前に託すぞと陸仙に爺は念を押す。 分かってますから矛をどけなさいと陸仙が言い返す。
 陸仙お前は力があるくせに欲浅く控え目で時々イラっとするが頼りになると爺は話す。褒めてんすかと陸仙は半ば呆れる。 
 槍の腕とて実はあの王賁にも引けは取らぬと爺は言うが、陸仙は流石にそれはないと否定する。

 蒙恬様を頼むぞと爺は陸仙に託す。 分かりましたと答える陸仙だが、爺副官にいつまでも危なっかしい‟若君”の認識は改めた方がいいと忠告する。
 敵三万に五千で挑ませる王翦将軍の無茶ぶりにも全く動じていない。きっと蒙恬様はもう大将軍達と同じ目線で戦が見えてますよと。

 敵に向かう陸仙の忠告を受けた爺。 そんなことは言われなくても分かっていた。だがそれでも儂にとってはと幼き頃の蒙恬との出来事を思い浮かべる。
 木の枝に立つ若様は飛び跳ねて遊ぶ。木の下は崖で落ちると危ないと爺は止めさせようとした。案の定、枝が折れ若が落ちて肝が冷えたのだった。。。
 爺は思う。どんなに成長されても儂にとってはいつまでもその身を心配して止まぬ‟若様”のままなのだった。

 前進する紀彗軍。 馬呈が戦場の半ばまで来たので城主に判断を仰ぐ。斥候から敵は最初の布陣から動いていないと報告が入る。 王翦は馬鹿なの?このまま右の前線は本陣近くまで押し込んじまうぞと馬呈が言う。 

 馬呈の言葉で紀彗は全軍停止を命じ、様子を見ることにする。尹圭の騎馬一千を前進させて敵の出方を図らせる。 そこへ前線の物見から報告がやってきた。
 馬呈が敵が動いたかと問うが、敵の左翼がいつの間にか半分になったと伝える。馬呈が消えた半分は何処に行ったっつー話になると言う。同感の紀彗が考えるが、横に目を移してその疑問が解ける。 

 あそこだと紀彗が言うと、馬呈も横を見てすぐわかった。

 急報!右より敵騎馬出現!右軍が攻撃を受けております!!  蒙恬率いる騎馬隊が襲い掛かる。敵襲に気付くのが遅れ、弓盾の備えができない紀彗軍は強かに攻撃を喰らう。伝令の報告に見えているわ馬鹿野郎と馬呈が吼える。すかさず紀彗は右軍に右向きの陣形を敷かせるよう命じ、併せて黄角の騎馬隊二千に敵の背後に回らせ一機も逃さず討ち取るように伝える。

 horse黄角騎馬隊が出撃した。 蒙恬がそれを素早く見て、すぐに部隊に離脱を命じる。黄角は敵の離脱に勘が鋭いなと褒めつつも、ここまで来て我等の離眼騎馬隊から逃げられると思うなと吼えて、追撃をかける。

 horsedash敵の追撃を知る蒙恬は騎馬隊の脚をさらに早める。最後尾にいる張呂は味方に早く来いとせかされる。 冷や汗をかきつつも張呂は引き離さない程度に逃げるってのが一番難しいんだよと意味深な言葉を吐く。 そして、それは間もなく明らかになった。

 danger追っていた黄角は文字通り横槍を喰らった。左からの敵騎馬隊に襲撃される離眼騎馬隊。 追われていた蒙恬が狩場にようこそと馬首を返す。 今度は蒙恬たちが背を打つ番になるのだった。

Photo

o(*^▽^*)o そういえば王騎将軍も味方左翼から戦局をうごかしたっけなぁ。。。

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コメント

CIC担当殿、コメント万歳であります。
>精神面がボロボロですが、(中略)

 病は気から、気は徳から。 うしつぎは荒んでいるときに絶望の泥から頑張って成功した伝記を読んだりしています。阿呆な奴らが徘徊しているご時世に彼らより長生きしたいと思うばかりであります。

>王翦は、決して信を軽視してはいないでしょう。
 
 最近の連載では戦略面が強調されているので少々出番無不足であります。きちんと活躍できるシーンがあるのですが、もっと別方面でも活躍観たいのでちょっと残念です

>それとも、「我、武神也」のホウ煖を連れて来てるのでしょうか?

 まあ。。。ありそうですな。

>戦争物の幼女戦記が、それぞれの陣営が、どう戦っていくのかが楽しめますが。

 アニメ化した奴ですか。それは知りませんでした。アニメも見なくなっているので…。
 うしつぎが読んでいる書籍あ相変わらずの歴史関係ですね。『小学』『礼記』『大学』に地政学を増やしていく予定です。

投稿: うしつぎ | 2017年6月30日 (金) 11時19分

かなりお久しぶりになります。
精神面がボロボロですが、諦め悪くあらがっているCIC担当です。
詳しくは、http://myblog-diary.at.webry.info/201706/article_3.html
をご覧いただければと。

>信が荒れていた。原因は自軍の布陣にあった。
 今の信を趙軍に見える位置に布陣させるのは、リスクが高過ぎで
 すよ。
 つい最近の黒羊攻防戦でも、総大将の慶舎を討ち取ったのはどこ
 の誰でしたっけ?プラス羌カイは、紀彗の軍師を討ち取っていま
 す。
 賞金首としての価値が高くなり続けてるので、今はちょっと。
 逆に、最初から相手を勢いづかせる事にも繋がりかねませんしね。
 それに、こちらから戦況が見えない最後尾という事は、李牧から
 も飛信隊がどう動こうとしているのか、見えないという事。
 王翦は、決して信を軽視してはいないでしょう。
 使いどころは、もう少し先でしょうね。

>趙軍本陣も偵察の報告から左翼が薄すぎる事に驚きが広がってい
>た。
>金毛が驚く。
 王翦の布陣には、強烈な違和感を感じましたね。
 左翼に相対するのは、間違いなく三大天級の紀彗。
 にも拘らず、僅か五千。
 最初は、趙軍左翼を右翼で抑えさせて、紀彗を引き込み撃破して
 本陣を突くかとも見えましたが、そううまくいくとも思えなかっ
 たので、この考えは却下しました。
 何かの罠かとは、思っていましたが…。
 楽華隊は、そうとう血みどろの戦いも可能な事を思い出して、そ
 れが関わるかとも考えましたし。

>急報!右より敵騎馬出現!右軍が攻撃を受けております!!
 早めに退いておけば、騎馬の機動力を駆使してこういう事も出来
 るのでさすがは蒙恬ですね。
 楽華隊を使って、紀彗軍の戦力を削り取るのが目的ですかな?
 ただ、それだと王翦としては、少々芸がない。
 次に打つ手も、当然用意しているでしょう。
 いずれにしても、李牧は主導権を持って行かれ気味ですね。
 退かせるか、左翼全軍を一気に投入するか。
 退かせれば、背を討たれさらに損害が増えます。
 全軍を投入しても、それこそ王翦の狙いにも見えそうな感じで、
 頭の痛い所でしょう。
 王翦は、非常に視野が広く戦場全体をくまなく見渡して、必要な
 手を打つ将軍ですが、同時に何をするのか解らない不気味さがあ
 るので、李牧とは別の意味で、底が知れないんですよね。
 いずれにしても、態勢を立て直した上で、仕切り直しでしょう。
 それとも、「我、武神也」のホウ煖を連れて来てるのでしょうか?
 いずれにしても、今のままだと、泥沼どころか底なし沼に兵を飛
 び込ませて溺死者が多くなるような物と、個人的には見ています。

 それにしても、最近は書店に並んでいる本のつまらない事…。
 新刊が出るたびに、手に取ってはいますが、どうもいま一つ…。
 タイトルを見る限りは、想像できないほどの戦争物の幼女戦記が、
 それぞれの陣営が、どう戦っていくのかが楽しめますが。
 メンタル面が回復したら、久方ぶりに紀伊国屋とか書泉とか行き
 ますかね。何だかんだで、いろんな本がありますし。
 クラウゼビッツの戦争論は読みましたが、解説本みたいので手ご
 ろなのがあったら、買うのもいいですし、マハンの海上権力史論
 も読みたいとは思っているんですよね。
 あとは、電撃戦の生みの親のグデーリアンの著書とか、機甲部隊
 を提唱したフラーの著書もあれば、読みたいとも思います。
 何か、兵法とか軍略関係ばかりか…。
 以前は、経済関係ばかり呼んでたからかな?

投稿: CIC担当 | 2017年6月25日 (日) 22時13分

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