乾坤一擲
#530「必殺の別働隊」
正面の麻鉱軍と裏の楽華隊に敵は意識が集中している。その間を刺しぬいて一気に本陣の紀彗を討つ。
選抜された八百騎に作戦目標を伝え、隊長の信を先頭に駆ける飛信隊。貂が兵に危ないからこの辺りで止まっとけと言われる。
信は貂に隊旗を掲げさせろと命じる。なぜと問う貂に信はこの数で突っ込んで紀彗が気づかぬ筈がないからだと答える。 だったら堂々とってかと我呂も悪くないと思う。
信は飛信隊の力を知らしめる。そして、俺はこの戦いで将軍になると宣言する。隊長の檄が響き、田永に朱蓋ら古参たちが興奮する。貂も頷く。 高らかに全旗を掲げ、飛信隊が突撃を開始した。
紀彗本陣に急報が入る。東側から敵騎馬隊が駆け上がってくる。数は六百から一千だと。 この手一杯の状況で更に一千の敵の攻撃に幕僚はもとより紀彗も苦渋の顔になる。 さらに伝令は敵の旗に‟飛”の文字があり、駆け上がってきているのはあの飛信隊だと報告を重ねる。 本陣は更に動揺が広がった。
信を先頭の信が紀彗兵を蹴散らす。続く羌瘣も斬り払い、右から那貴が並行して進む。➡o(*^▽^*)oおお、那貴が来たー!! 武力もあり機知もある那貴は前線の変化に対応できる即戦力ですな。楚水さんもいいのだが彼は万能型だから留守の大将として残したのだろう。銀英伝ならメックリンガーポジですね。
次の伝令が東からの飛信隊が第一陣を突破したと伝える。 紀彗の幕僚達は飛信隊の力を見ているので動揺が静まらない。黒羊では総大将の慶舎様が倒され、その勢いで紀彗の知将・劉冬まで葬られたのだから。 幕僚は対処せねば間違いなく本陣までと大将の紀彗の決断を督促する。
黒羊の因縁の相手たる飛信隊。今度は王翦の必殺の別動隊としてこの紀彗を取りに来た。紀彗は汗をかきつつも、一度戦った分その力を見誤ることはないと、後ろの陣を解いて最終防塵まで下がると決める。
だが幕僚達は本陣最後の守りに立て籠もると万が一の時の逃げ場がなくなると言う。それよりも後方はこのままで前の馬呈隊様に飛信隊を止めてはと意見する。
しかし、紀彗は正面も針の一刺しで崩壊しかねない戦況、正面が崩れたら全てが終わると配下の意見を斥ける。 幕僚の一人は最終防陣に下がって立て直す間におそらく来ますと飛信隊の脅威を言う。それほどの力であると紀彗も認めざるを得なかった。 すると、そこに我らが行きますと声を挙げる一隊が紀彗の下に駆け付ける。
亡き劉冬将軍の親衛隊だった。 我ら二百騎で奴らの足止めを…、いや…刺し違えてでも飛信隊隊長信と副長羌瘣の首をと彼らは叫ぶ。この戦況下で悲愴な決意の死兵達に紀彗も幕僚達もできることは一つだけだった。
丘正面では馬呈が飛信隊の進撃の報せを戦いつつ受ける。城主から何か指示が来たかと問うが、部下は何もと答える。動きたくても動けない前線で馬呈は麻鉱の練兵はどうなってやがるとそのしつこさにへきへきしていた。
そこに飛信隊に向けて劉の旗を掲げた騎馬隊が駆け下りていく。 部下の声を聴くまでもなく馬呈もその姿にしっかり見守ってやれよと心中で亡き友に語りかける。
新手と戦う信たち。劉の旗に羌瘣が気づく。 因縁の相手同士が激しくぶつかり合う。死兵と化した劉冬親衛隊は圧倒する。我呂も苦戦した。その中で羌瘣は敵の刃を交わし、横から薙ぎ払う。斬った所から離眼の人形が飛び出し、羌瘣も驚く。
その姿から親衛隊が仇の副長羌瘣に一斉に襲い掛かる。やりきれない想いを潰しながら、歯を食いしばる羌瘣は劉冬の親衛隊を瞬く間に倒す。斃れ際に亡き主・劉冬の名を口にする彼ら。血しぶきを浴びつつも羌瘣の顔に苦みが残る。 副長の強さにすげえと思わず口にする兵の横で信が羌瘣の苦衷を察する。 死兵を斬り払う飛信隊。
丘裏でも楽華隊に信隊が参戦したことが伝わる。そういう使い方をするために飛信隊を中央にしたのかを蒙恬は考える。だが、おかしいでしょ、おいしい所はうちの得意技でしょうがと珍しく小言を垂れる。 ともかく飛信隊の出現を利用して一気に駆け上がるように全員に命じる。
丘正面の麻鉱軍にも飛信隊参戦を知る。部下が王翦様の本命は飛信隊だったのかと声が挙がる。 が、麻鉱将軍は我が殿の策はそう浅いものではないと部下を制する。
戦は‟流れ”、どれでも本命になれる流れ、これが敵にとって最も恐ろしい戦局だと言う。それでも麻鉱は無論、左の主役はあくまで我であると言うなり、残りの精鋭部隊を突撃させる。紀彗を濁流に沈めるのだと。
その動きは紀彗本陣にも見える。いよいよ全面攻勢かと焦りが広がるが、なぜか紀彗はここかと閃くものがあった。 それでも本陣に戻って馬呈軍や他の軍の戦局の把握をしようとする。不意に紀彗が右を向く。部下もつられて右を見ると…、
飛信隊キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 死兵の劉冬隊を突破し、先頭の信が紀彗と吼える。 沛狼が思ったより楽に登れたと言えば、我呂は麻鉱と楽華が頑張ってくれたからだと言う。紀彗を追い詰めたと朱蓋が吼えれば、絶対にここで決めると信も猛る。
驚愕した幕僚たちは守備兵に馬を狙うように命じる。大将の紀彗をすぐに上に登らせようとする。が、新手の喚声が本陣を揺らす。
楽華隊モキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 裏の敵が第三陣の一部を突破して、決壊した場所からものすごい数が駆け上がってきた。蒙恬が直ぐに陸仙に右に回って紀彗の退路を断つように命じる。
飛信隊参戦で滅茶滅茶になった。奴らが来る前に本陣を捨てましょう。本陣を捨てれば馬呈様が背から攻撃を受けて全滅する。脱出するなら馬呈軍も同時に動かそう。そんな暇は無い。 それぞれの意見が飛び交う中で大将の決断は…、
「本陣は捨てない。ここで飛信隊を止めることに全力を注ぐ。」 紀彗の決断に幕僚達が一斉に反対する。
裏からも敵は来ている、三千以上になる、たとえ飛信隊を止めてもと言う。ならんと紀彗は全てを斥ける。今のこの形を崩すわけにはいかないのだと。
「窮地にあるのは…我々だけではない。」
大将の言葉が分からず幕僚達が固まる。
「目を光らせているのは王翦だけではない・・・。」
何かに気付く紀彗。同時に味方からの喚声が上がったことに幕僚が気づく。
「‟必殺”の別働隊を用いるのは…王翦だけではない!!」
紀彗がそちらを向く。喚声がさらに大きくなったと麻鉱が横を向いた。 そこには…、
李牧がキタ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!! カイネが両刀で切りまくる。他の趙兵達が秦兵を蹴散らす間を趙軍総大将自ら麻鉱に向かい、その喉元に剣を突き刺した。
(w(゚o゚)w ここでまさかの李牧の武とは。
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