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兵半ば

#538「亜花錦」

 王賁の躍動を目にした趙峩龍はかつての偉大な上官との日々を思い出す。

趙三大天・藺相如 良い案を思いつき、戦直前で作戦を変えた藺相如。趙峩龍がよろしいのですかと他の軍の迷惑を心配する。藺は笑って仕方なかろうと気にしない。それどころか今思いついたと藺相如は、敵味方全てを掌で転がして勝つのが大将軍なのだとぶっちゃける。 その上、藺相如はそれも廉頗が言っていたことにしようと笑う。

殿は困ったお方ですと言う趙は苦笑する。儂は困っておらぬと藺はまた笑う。そこに味方の介子坊から怒りの伝令がやってくる。 藺は構わんと言いながら、追い返した。藺は笑い飛ばしていた。

ここが狩場だ、蹂躙しろと王賁は玉凰隊に命じた。

 亜光軍千人将亜花錦が部隊を勇躍させ戦う。 わがままな若が勝手に二日目の戦果をきめてしまった。だが次代の統主だから今から武功を上げて名を売り込んでおけと発破をかける。端から続々と戦う。 関常隊が亜花錦を確認する。不世出の天才と関常は言うが宮康は大嫌いだった。

 馬南慈軍の後ろが亜花錦と王賁の部隊で崩されつつあった。馬南慈は乱戦を解いて助けようと思うが、前方の亜光軍がそれを許さない。亜光は集中して乱戦を解かせない構えに切り替えていた。 馬南慈は初期の決断を変えず、前方の亜光に集中することにした。➡明治の名将・黒木も組んだら容易に切り替えてはならないと名言残してましたな

 玉凰隊が優位に立つが、王賁はあの男の挙動は注視しておかねばならぬと油断はしなかった。 この戦局にまったをかけ得るあの第三の将―

 
 その将である趙峩龍に自軍の伝令が矢継ぎ早に届く。首を取るはずの王賁に逃げられて、今度は何処を狙うのかと。 幕僚達は伝者の口を静かにせよと止めつつ、主の命令を待つ。
 趙の決断は兵力差を活かした各個撃破だった 岳嬰軍は玉凰隊本陣に追撃を、こちらは近づいてきた亜光軍援軍8,000と戦う。

但し、騎馬隊一千を繰り出して王賁のいる戦場に投入するとした。 趙峩龍の判断に王賁が一番困った。 
 自軍の優勢を保ったままこちらにも手を打たれた。乱戦に一千騎を投入されたら、今度はこちらが討たれる。乱戦に入る前にこちらが迎撃に出るべきだが、兵力が足りなかった。離れてしまうと挟撃の形が崩れて横陣攻略が止まる。 兵をさらに割るかと迷う王賁。

 その時、王賁の横を亜花錦の部隊が奔る。亜花錦はこの狩場はあんたの手柄、若に邪魔しに来る千騎はこちらで相手にするから存分に戦果を太らせなされよと声を張り上げる。
 父君も仮面の下で喜びましょうぞ。この貸しはお忘れなく、あなたの代で私か私の子に樹倍にして返されよと。

 見返りと挨拶をして亜花錦はわずか二百騎で敵の千騎に向かう。 あれが噂に聞く悪童かと王賁は言う。関常に亜花錦について死なすにはと問う。 関常が正確難でずっと千人将ですが亜光軍で一番惜しいかとと高評価を下す。 王賁は黄甫に三十騎をつけて亜花錦を追うように命じる。死ぬ前に退かせるために。

 どうやら趙軍はこの流れは止められぬ! 亜光将軍が言う。 馬南慈は後軍の崩れを止められない。

 

 別の戦場・撩陽二日目では壁将軍は悪くない流れと戦の優勢を実感していた

 各所で秦軍が攻勢に出てきていた。壁は犬戎の戦い方に山の民が慣れてきたと言う。だとしたら、ここから益々山の民が攻勢に出ると期待が増す。 しかし…、

 少し力を落として戦っているから敵の強弱がよくわかる。 犬戎王ロゾの側近たちは冷静に獲物を観察していたのだった。
 目につくのがゴバ兄が戦ったバジオウのいる隊、次にアゴの出た大男の一族(フィゴ族)、メラ族という大族と一人が強敵の名を挙げていく。 

それでもやっぱり突出しているのが山界の王と名乗る女王直属の隊だと側近たちは一様に言う。 テゴ、ヌガ、ワンが殺されている。一人が本気で殺りがいがあるわと燃え滾る。犬戎王ロゾは横取りは許さぬ、あれは儂の獲物だと側近たちを制する。久々に血とあそこが騒ぐと口にする。 一人が銀髪の趙将が見えませんがとロゾに問う。

ロゾはあやつは朝から戦場の外に出ていると答える。 戦場から離れた舜水樹は森を見ていた。林を見ている舜はやはり思った通りと口にすると、戦場に戻っていく。

撩陽三日目に秦軍全体にのしかかる大事件が起こる。狙われたのは壁の軍であった。

Photo(´・ω・`)ショボーン 上げて落とされる毎度の壁パターンがここでもまたか。。。

 

 

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