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#542「楔」

 堯雲に続き趙峩龍も直下兵団「土雀」を繰り出し、秦軍を叩く。古兵団たちに後れを取るなと岳嬰も自軍を叱咤し、呼応した。 

 亜光軍、趙三将の軍にタコ殴り状態となった。 丘陵の上で見ていた王賁も顔色が変わる。すぐに救援に向かうと決め、関常に本隊の指揮を任せようとした。 が、関常がそれを止める。 玉凰隊正面の馬南慈軍が前進したのだった。
 中央の王翦でも流石に危ういと言わざるを得なかった。趙峩龍と堯雲。王都圏に迫れば寝ていた虎も目を覚ますと底力を認め、暫し熟考の時を要した。 そして、幕僚の田里弥に伝者を呼ぶように命じる。

 亜光兵でも手が付けられない。堯雲だけでなく昨日の趙峩龍軍も別軍の如く蹴散らしていた。当然、趙峩龍自身も。 部下も堯雲様に何か言われましたかと嬉しそうにきく。なぜか嘗ての戦場の時よりも矛に熱がこもっているように見えると。

 二人にはまだ役目がある。  当然だ、主を失ってなお生き永らえていた時が無意味で無かったことを今知った。 燃え上がらぬ筈がない。 猛る趙と堯。心の滾りを矛に伝え、猛然と戦う藺相如最後の武将たちが亜光軍を圧倒する。

 黄里様討ち死に!中央の趙峩龍軍が猛攻!左の敵の援軍が止まらぬ!予備隊を左へ回せ!  亜光軍本陣は劣勢の報で埋め尽くされた。 

亜光は一度全体を下げて横陣を変えなければ対処できないと踏んでいた。分かってはいるが、新手の堯雲軍に深く入られ過ぎてそれができないでいた。

 それを理解できる王賁がやはり亜光軍を援けることに決めた。新手の軍が楔となっているので俺が横撃して楔を取り除くと関常に言う。
 ここはどうすると関常が王賁に問う。主力は全て置いていく。横撃してあの軍の勢いを止めればすぐに戻るので、その間の指揮をお前に任せると命じる。副長番陽も任せたと言う。

 その二人に関常が引き留めて、勘だが玉凰隊がこれまで戦った敵とは格が違う、紫伯軍より危険かもしれぬと言う。
 王賁もそんな気がしていると関常に答える。だから亜光軍から引きはがしに行く、そうせねばあの楔に貫かれて亜光軍が崩壊すると。 王賁別動隊が出撃する。

若君自らが我らの立て直しの時を作るためにこちらに来た。亜光はそれを見てかたじけないと心中で感謝する。

が、それは堯雲の想定範囲内だった。

 右から趙峩龍が言っていた王賁が来ると堯雲は報告を受ける。練っていた通りと言うなり、部下の張武を遣わす。

 堯雲軍を目にした王賁はあと五十歩で展開蹂躙だと指示を出す。それでこの軍の勢いは止まると吼えるが、敵軍の動きに思考が増した。

  • 中の歩兵がこちら向きに隊列を組んだ。
  • 今この横撃の急対処の組み方ではない。
  • 我らの周りを兵が囲み始めている。
  • 張られている!

 気づいた王賁が全兵旋回、この場から離脱すると作戦変更を命じた。

ここは用意された狩場だと。堯雲兵に囲まれる王賁たち。王賁の突きも躱す程の精鋭部隊だった。 それでも龍指で倒す王賁は皆に切り抜けろ、とにかく包囲の外まで走れと命じる。番陽も賁様に続いて走れと叫ぶ。

その番陽が捕まって馬から落とされる。それを見た王賁。部下達が副長の名を呼ぶが、番陽は構わずに行け、王賁様をお守りするのだと叫ぶ。 戸惑いが広がる玉凰の面々に王賁は戻ると決める。

部下達は納得するが、番陽は納得できなかった。堯雲兵も戻ってきやがったと笑い、容赦なく群がる。 番陽を救うために戦う王賁たち。自分の存在が若を危急にしていると番陽は苦しむ。そして、趙兵から無数の槍に囲まれる。 

涙を流した番陽はこれでいい、儂が死ねば賁様が脱出できると思う。幼少時から常にいた男の危機に王賁の顔がゆがむ。間に合わないと部下達も悲愴の色に染まる。

不甲斐ない副官で…どうかあなた様だけは…天のご武運をっ… 番陽の体に敵の槍が刺し込まれる。 思わず番陽と王賁が吼えたその時…、

キタ━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||)止めを刺していた趙兵が信と羌瘣に全員瞬殺━━━━!!!! 死んだと思ったら血の雨の中で生き残り、茫然自失の番陽。 趙軍の中に入ってきた飛信隊の超二強。

 お前は全っ然嬉しくねーだろうが助けに来たぜと信が王賁に言う。思わず歯噛みする王賁。驚く玉凰の兵達だった。

Photo\(^o^)/2018年に最初の主人公のターンが待っていました!!!

 

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