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引き際

#561「一刀の衝撃

 うつむき、瞑目する信は王騎将軍の声と共に矛を繰り出す。岳嬰はその動きを捉えきれず…。

 信は岳嬰を一刀の下に切り捨てた!  戦場で驚愕の顔と共に言葉が消える。飛信隊の我呂たちには驚喜が、岳嬰軍には驚愕が、戦場から言葉を消した。 

遥かに飛んだ岳嬰の上体はやがて落下し…、地上に叩きつけられる。 瞬間に飛信隊から喚声が上がり、岳嬰軍に悲鳴が広がる。

 新米兵の干斗に平来は俺達の隊長がやってくれたと涙を流して喜ぶ。後ろでは告と角も泣いていた。
 ベテラン兵士たちも慶や昴も喜ぶ。同僚が尾平になぜか静かだったので何で喜ばない、見てなかったのかと問う。尾平は見ていたと涙ながらに答える。そして、今のは凄かったと。

 今のは本当に…大将軍の一撃だった! ほ…本当に…うっ と涙で顔が濡れていた。昴も泣いていた。そして、改めて尾平は戦場に俺たちの飛信隊隊長の信が岳嬰を討ち取ったぞと叫ぶ。

 その喚声は飛信隊右翼にいる羌瘣隊にも聞こえる。羌瘣隊も喜びに満ち、羌瘣も見えはしなかったが何があったのかはわかるとほほ笑む。
 本陣も信の武功に沸き立っている。 益々強くなる信に貂は歯をかみしめる。 物見が直ぐに趙峩龍軍がこちらに来る、後続も凄い数だと知らせる。 河了貂は退却の命令を下す。 右翼にいる羌瘣隊を殿にする。

 撤退の命令が下り信と共にいる飛麃は緊張が走った。彼らは岳嬰軍の反攻に備えて隊長の守りを固めている。岳嬰兵も主の仇に鬼の形相で猛っていたのだが、容易に動かなかった。

 否、動けなかった。 岳嬰を一刀で倒した信の武威に近寄れなかったのだった。正に敵に畏れをを抱かせる一刀であった。 信が馬を返す時には岳嬰兵たちはビクッとする。 さがるぞと言って信は飛麃たちと退却する。そこでようやく彼らは追撃する。

 朱海平原から少し離れた山地の奥にて一人の男が佇んでいた。

 ∑(゚∇゚|||)求道者にして趙三大天の一人・龐煖 山中で戦場の気配を感じていた。その中で信と岳嬰の一騎討ち、そこで発揮された信の武威に王騎の気を感じて激しく咆哮する。

゜。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 その頃、撩陽では楊端和の三軍が犬戎軍を激しく攻め立てていた。 端和の本陣に各三軍の様子について報告が入ってくる。

 バジオウ率いる楊端和親衛隊は敵ゴバ軍の第一軍の猛攻で防戦だった。しかし、タジフ隊が前に出て食い止めてから、バジオウが右から横槍を入れる形になり犬戎軍を推そうとしている。

 左のフィゴ族の軍はフィゴ王ダントが味方の犠牲にもかかわらず、王自ら先陣を切って攻撃していた。部下からタンケが討ち死にと報せが来るが、まったく気に留めない。➡ ( ̄◆ ̄;)なにげに麃公将軍みたいな攻めっぷりです

 楊端和は右の壁軍はどうかと問う。伝者は…、

男を見せると誓った壁将軍はと言うと…、

 壁軍は三軍中、最も犬戎軍を押し込んでいタ━━━━(゚∀゚)男を見せてた━━━━!! 壁将軍の本隊が中央で全体を引っ張っている。

 島干殿が討ち死にする激戦であった。それでも、元来歩兵中隊が敵を撃破して前進する。 各部隊の間隔を巧みに修復させている。

どこも接戦ではあるが着実に前進していた。本隊が前進していることが周りを奮い立たせていた。

 壁将軍自ら前に出て戦うメラ族との混合部隊は遂に敵将ブネンのいる本陣を視界に捉える。 よしと言う壁は戦力はまだ十分として全軍に突撃体制を命じる。敵将ブネンを一気に討ち取るつもりだった。

 だが、ブネンは秦将自ら入ってきたと聞くと、阿呆がと呟くのだった。

 

Photoo(*^▽^*)o 自ら率先垂範こそが武の本分。

武技の信も奮武の壁もまた善き哉。

 

 

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