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＃566「端和の選択」

　ゴバの背後を取った楊端和が逆に背後を取られる。　

　犬戎王ロゾ━━　撩陽城から犬戎の王自ら軍を率いる。楊端和は犬戎王ロゾの顔を見据える。　

　趙軍━━舜水樹はお前達山民軍を絶望の淵に追いやるのは犬戎王の軍だけではない、忘れてはおるまいな、我々を！と言う。その場に馬蹄の音が響き、山民軍にも聞こえる。舜が率いる軍…、趙軍が公孫龍の指揮の下、楊端和軍の両側面を固めた。

　最初に戦っていた趙軍が撩陽城内に隠れていたのか。左右の道をふさがれた。　端和の周囲がざわめく。死王の危機にバジオウ、タジフ、シュンメンら一様にまずいと思った。

　それを見て、ゴバが見事に舜水樹の罠に嵌まったと呟く。犬戎王ロゾも‟西戎の祖”大犬戎族が王ロゾが山の王とほざく愚かな女を折檻してやるとするかのぉと滾る。王につられて家来達も猛り始める。　

　死王の親衛隊たちがとにかく端和様を守ると周囲を固め始める。端和は無念だが今は犬戎王まで刃は届かぬ故に全軍脱出を図ると直ぐに戦略を伝える。　部下のトッヂ・フゥヂに両脇を、ラマウジに後ろを任せる。➡　(ﾟ▽ﾟ*)名将は見切りが鋭く速い。流石に王であります。

　舜は今更あがいてもムダだ山の王、お前たちに逃げ場はないと心中で呟く。ロゾも楊端和は生け捕り、儂が直に首から下の皮をはぎ死ぬまで犯すと言う。その他は容赦するなと全軍に告げる。　死王は来るぞぉと臨戦態勢を命じた。

一人残らず切り刻めぇ！！　楊端和　そこがお前達の墓場だ！　撩陽軍が攻撃する。両脇から公孫龍が弓兵を一斉掃射させ、左右の壁に近づけさせるなと命じる。　
　脱出口を作ろうと親衛隊たちが戦うが、犬戎歩兵隊が詰めてきて、しらみつぶしにかかる。楊端和は敵翼に走るな、全員私について来いと命じる。

ここで楊端和は周囲の予想と違う動きに出た。　

四方を包囲された楊端和軍は左右の趙軍――とりわけゴバ軍との切れ間を狙い‟速さ”で脱出を図ると思われた。

だが楊端和は――ロゾ軍に背を討たれることを承知の上で正面の壁ゴバ軍に突撃した――！

　端和様につつけと親衛隊が死王の道を戦う。撩陽の犬戎兵達がさっさと逃げればよいものを追う手間が省けたと喜びだす。ゴバ軍ともたついている間に猿共を狩りまくれと狩人の心地になる。　

　楊端和の選択に舜水樹もまさかと声が出る。ロゾも信じられぬ気の強さだ、あの女はと目を見張る。二人ともに楊端和の狙いに気付く。　

絶体絶命のこの状況下から奴は…奴等にとって今日の最低限の戦果_ゴバの首を取るつもりだ 端和様がゴバ軍に入ったのを見てバジオウ軍の士気が上がる。端和様をお助けせねばと。部下たちがバジオウにお前だけでも早く行けと促し、バジオウもそう動く。　鳥牙族も一番速いシュンメンを促す。

　挟まれるゴバ軍。正面から端和軍が、後方よりバジオウの小隊が迫る。ゴバは背を討たれながら俺に対して挟撃のつもりかと笑う。舜水樹もあわよくばバジオウ軍と共闘してゴバを討とうと夢想したかと冷ややかに見る。
　ゴバがバジオウ達の前に壁を組んで脚を止めろと命じる。まんまと入ってきた楊端和をじっくりと料理するために。　

　手強い新手に流石のバジオウやシュンメンも脚が止められる。無傷のままでいたゴバ正規軍をそう簡単に侵入できると思うな、お前の選択は自らの死を早めただけだと舜は楊端和を嘲る。　

止められたバジオウとシュンメン。周りに迫ってきた犬戎兵の戦況を見た楊端和は…、

　蕞救出戦の双剣モードｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!　もう一本の剣を抜き放つ。　双剣となった死王は瞬く間に犬戎兵を斬り進む。　正に死の王の道が伸びていく。楊端和の剣技に瞠目する舜とゴバ。➡ ┗(^o^)┛ﾊﾟｰﾝ騰のファルファルロードですな。

　だがここで弾丸のような楊端和の突破じゃ再び全ての予想を覆す　

　楊端和はゴバ軍を突破して遂に敵将ゴバと相対した。わざわざ死にに来るとはとゴバも双剣を抜き放つ。部下が死王にゴバはバジオウとも互角に渡り合う男だと叫ぶ。

しかし、死王は文字通りにゴバに死を告げた。雑魚のゴバぁあ!!　 ｵﾜﾀ┗(^o^ )┓三   数刻渡り合う両者だったが…、ゴバの双剣をまるで止まってみえるように躱す楊端和。　
　そして、腕を一本ずつ斬り払ってから首を刎ねた。　圧倒的な差を見せられ、舜やロゾら撩陽軍の皆が瞠目し息を呑む。

　「脱出するぞ、一人でも多く生還を目指せ」　ゴバ軍を砕いた楊端和は素早く配下とバジオウと合流して退却する。　思惑が外れた舜水樹は憮然とする。なぜか笑うロゾは舜水樹と追撃に入った。

九日目の最大の目標だった三兄弟の長兄ゴバは討ち取ったが、

ここから楊端和達は夜にかけて壮絶な追撃を受けることになる…

o(*^▽^*)o　李牧軍の蕞包囲を突破した楊端和の双剣モードが再び。。。。

百戦をくぐった端和様の見切りも素晴らしいな。