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男は生涯において一事を成せばいい

#573「立ち向かう者」

 キタリがカタリの仇ブネンを討った! 背後の喊声に壁とフィゴ王ダントがメラ族の勝利を知る。後は犬の王との決着だとダントがちと厄介な犬戎王との戦いを仕切り直す。
 が、ロゾの猛威は止まらない。犬戎王ロゾはダントを矛で弾き飛ばし、フィゴ族の戦士達をなぎ払い、時には片手で彼らの頭蓋を握りつぶしていた。再度、ダントがフィゴ王の名乗りを上げて犬戎王に挑む。だが、ロゾの矛はダントを近寄らせない。 

 破壊に酔いしれているロゾはたかが一部族の分際で王を語るな下郎がと罵声を浴びせる。貴様らは西の山界で山の民などとほざいておるが、元をただせば我ら犬戎こそが西戎の祖、我こそ貴様らの王なのだ、王に刃向かいし愚か者がどんな報いを受けるかその身をもって知るがいいと山民兵たちに告げる。

 犬戎王の言葉にダントが何が王か、何が祖だ、何百年前のことをほざいているのだと言い返す。

我ら山の民と貴様らは違う!貴様らが平地の孤島撩陽ですくんでいる間、我らは西にあって戦に戦を重ねてきた。我らは己が手で覇を挑んでいたのだ。己の夢に向かい常に立ち向かってきた、そしてそれは秦人も同様だ。だからこそこうして同盟を組んでいる。 

貴様が王などと片腹痛い、勇者共の王なら貴様自ら夢に挑まぬか。山界の王・楊端和のように。立ち向かってきた者の力はお前の威力より百倍強いわ。

 山の民としての誇りを叫ぶダントの矛が犬戎王の身体をたじろがせる。しかし、それでも犬戎王の力はダントを押し返す。ダントはロゾの矛をこらえながら、こちらがここまで囮になっているにいい加減に討ちとらんか平地の将軍よと壁の力を待っていた。

 楊端和の元に新族長キタリがやってきた。相当にしんどい戦をやったな楊端和とキタリが死王をねぎらう。楊端和もお前もカタリを失ったと哀悼の念を表す。キタリは仇を討ったからそれは言いっこなしと返す。
 そこに大将を討ち取られたブネン軍が楊端和達に襲いかかる。ブネン様を失っては我らは家族まで犬戎王に殺される。そうなる前にせめて楊端和の頸を挙げるしか生き残る術は無いと必死で攻撃する。
 メラ族が楊端和の周りを固めてブネン軍を迎撃する。キタリは約束だから楊端和を守る、だから、お前も犬戎王を討ち取れと壁の武運を祈る。  

 当の壁将軍は犬戎王の背後の精鋭がどうしても抜けなかずに焦っていた。側近もフィゴ王の疲労が激しくてこのままだと討ち取られるのも時間の問題だと言う。尚も焦る壁だが着実に犬戎王との距離を詰め始める。
 そして、フィゴ王の時間稼ぎで遂に壁は犬戎王の背後から斬りかかった。だが、その気配を察したロゾは巧みにかわして矛を横に薙ぐ。壁は接近しすぎたために刃で斬られずにすんだが、柄を横腹に受ける。柄といえども犬戎王の一撃は壁に口から泡を吐くほどにその場で悶絶させた。愚か者がとロゾが捨て台詞に壁に止めを刺そうとする。

 しかし、同時に壁を囮としてダントが犬戎王の背を斬りつけた。振り返る犬戎王とダントは同時に横を薙ぐ。斬られたのは共に乗馬の首のみだった。同時に二人とも馬から落ちる。馬から初めて落ちたロゾ王に犬戎達が驚く。フィゴ族の声と共にダントは起き上がろうとするが、先に犬戎王が馬乗りになって止めの矛を振り下ろす。逆に止めを刺される形になったダント。
 その時、ダントはロゾの矛を自分の側で押さえつけてしまう。不審に思うロゾ。そう、ダントは尚待っていたのだった。

 仕方ない。今宵の英雄の座は譲ろう、壁将軍 その言葉と同時に犬戎王の背後から死に体だった壁が虚ろな目と泡を残した口のままで襲いかかった!

 

Photoo(*^▽^*)o こ、これは…、あの時の形では無いか!!!

まるで五千将の弟の如き気合いを叫び、壁将軍が犬戎王の頭蓋を深々と断ち切るのだった。

 

 

 

Photoo(*^▽^*)o 代打逆転サヨナラホームラーン!!!

( ̄◆ ̄;)まさかフィゴ王が楚水役とは全話感想者の私でも読めなかった。

 

 

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