作戦を出すことは誰にでも出来るが戦争を成せる者は少ない
#581「見える景色」
襲われそうになったが楚水の騎馬隊が助ける。敵の弓隊が楚水達を狙うが、崇源の歩兵隊が弓兵を斬り払う。
その時、別の歩兵隊が敵騎兵の突破を許す。その騎馬隊が新兵達に向かっていった。味方が危ないと叫ぶ。襲ってきた騎馬隊に干斗達は…、
剛力をとる! 岩のように固くなり敵の騎馬隊群から防御しつつ、敵の足を止めた。馬から転げ落ちた趙兵が干斗たちの後ろから襲いかかろうとするが、松左歩兵副隊長らが助ける。
松左は見ていたぞと干斗達の戦いぶりを褒める。見える景色が変わったかと言われる。言われて干斗は空きっ腹で疲労もあるのに身体が動いている、視界が広くなって動きやすいのだと気づいた。
松左はお前達よりも若くないが、俺たちもそうなってきたと言う。信と出会って見方が変わったのだと。
俺たちよりあいつの見える景色はもっと上だ、バカだけれども見える景色が違うって事に戦いながらみんなが気づいた。そして、その景色を見たくて成長したのだと。
そんな俺たちにあいつは力を貸してくれって言いやがった。全くあいつはと…松左は暫し言葉を止めて湧き上がる気持ちを受け止める。松左だけでない。奮戦する飛信隊古参達も感動する思いは同じくしていた。
今が最強だ。松左はそう言って槍を振るう。先輩の気持ちに干斗は涙ぐみ、飛信隊に入ってよかったですと答えた。俺もだと松左も言う。
飛信隊奮戦に軍師・貂は目を見張る戦いぶりにその反動を恐れていた。いつかは来る疲労のためにもこの日に成果を上げる必要があると思う。
趙の左翼軍はどこも押されていた。尭雲軍でも迎撃に精鋭の横善を出せと声が出るが、すでに討ち死にしたと報に陣中が動揺する。幕僚達が動揺する中、主将である尭雲や趙峩龍は秦右翼の戦いを静かに且つ熱く受け止めていた。
飛信・玉鳳の二人にかつての秦六将の姿を重ねる。奴らの軍は覚醒を繰り返していったその姿を…。
亜光を討って見くびっていた。秦右翼は二人の軍に変貌している。
虚を突かれた。このままではあの勢いに呑まれてしまう。奴らを倒すため、見直すためには…、
全軍後退する!!! 趙峩龍の知らせを待たずとも尭雲も同じ決断をしていた。馬南慈軍も知らせを受けて後退していった。
飛信隊の参謀達はここで仕留めきれないと悔しがるが、軍師貂は当初の戦略通りになったと言う。
右翼が敵を押し込んで、中央とで半包囲する。つまり、この十二日目でようやく中央の王翦将軍が前に出ることができるのだと。
o(*^▽^*)o 自ら今年も残すところあと30日を切った。ここからどうやって鄴を落城させるのだろうか。
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