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「どうする家康」でわかるこれからの世界01

 (👉゚ヮ゚)👉視点は武田=露西亜である。

 露西亜大統領プーチンが最近になってウクライナを米国、欧米が援助したから戦争が起ったのだと戦争責任発言をした。聞いていた諸外国大使の面々は大統領演説に一斉拍手ボイコットで応戦した。

 昨年にあっても露西亜の開戦は、NATOの拡大による圧迫が原因だと論じる識者は必ずいたし、おそらく今でもいるだろう。あのエマニュエル・トッド博士もそうだった。

    

 「どうする家康」の当時にあっての武田家はまさに現在世界の今後を占う上で格好のテキストに相応しい。

Ⅰ、核兵器の処理問題

 武田家が駿河に攻め入った経緯は「どうする家康」で阿部信玄が独白したように今川義元が桶狭間で戦死したせいである。東海の覇者・今川義元の治世外交武力は信玄など寄せ付けぬほどの威力を発揮していた。
 故にこそ織田との戦で三河の竹千代を人質交換させるほどであるのだし、彼自身(当時は元康)が私淑するほどのカリスマを誇っているのも当然だったのだ。

 では武田=露西亜がウクライナに手出しさせられないものとは何だったか? 無論、核兵器であった。ウクライナに貯蔵されていた旧ソ連の核兵器は米ロにとっても重大事で威力を有していた。
 結局、ウクライナに貯蔵されたいた核兵器はウクライナから撤去された。正に義元の首が米ロの槍にくくりつけられて飛ばされ離されてしまったのである。

 そして、核兵器が無くなったせいで軍事の空白ならぬ軍備(威嚇兵器)の空白ができた。後の戦争の遠因では無かったか。 

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 未来でも日本人には他人事では無い。

             

     

 もし、お隣の大陸ないし半島の国が崩壊してしまい、所蔵する隣国の核兵器の処理問題について日本国は本気で予算かけてまでも取り組まねばならないのである。 
 その刻は自衛隊の駐留すら考える必要があるだろう。現にウクライナの核兵器の処理後に治安維持としてNATOや米軍が駐留出来ていたら今回のウクライナの不幸はなかった筈である。

 他国に隣の核兵器の処理を任せたらどうなるか? 自国の安全装置の首が飛んでしまうのは昔も今も教えてくれているのである。
           

Ⅱ、強兵より富国

 戦争責任は米国、欧米にあると露西亜大統領プーチンは言った。識者にはこの意見に同意する者がいる。露西亜⇒武田家でもそのような勢力図で圧迫されていたのは史実でも示されている。

 甲斐国では周辺が強国であった。東は関東北条、南が今川で挟まれていた。活路を見出そうと武田家は信虎の代で信濃諏訪に攻め入っている。
 父を追った信玄(当時は晴信)も結局は父の戦略を踏襲するほか無く信濃を取ることでようやく甲斐国の豊かさを広げた。が、信濃をとったせいで強国・越後の上杉(当時は長尾)と戦う羽目になる。

 東西が突破できないので北に活路を見出そうと川中島で戦うがバリアーならぬ毘リアーは遂に突破できなかった。 しかも悪いことに強引にやったために約定を破りまくっての戦は武田家の信用を大いに損ねてしまう。

 武田信玄は当時に珍しく漢籍に通じているインテリでもあったのだが儒家、兵家の書を反芻するべきだった。儒家兵家共々、国を豊かにして戦に勝つには信を基本にすることを教えている。
 地理、地政学的に不利な位置の甲斐武田家はこれより他になしと進む気持ちも分からんでも無いが、結局は不仁は戦略的にマイナスにしかならなかった。 せめて周王朝の積徳の精神を鑑みて富国専念に精進すべきだったのではなかったかと思われる。

         

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 そして、現在の世界で露西亜はモロにこの歴史を踏襲していた。 

 地政学的に露西亜にとって活路は西方にしかない(としか考えていない)。 活路は西方がNATOに塞がれていると思い続け、不安が増してたせいだと思うのは無理からぬ事かもしれない。

(そもそもこういう思考と偏見が戦略を狭めているのではあるのだが・・・。因みにこの弊害に無縁だったのは、うしつぎから見るとエリツィン一人くらいだったと思う)

 だがしかし、国を栄えさせるのは人々である。人との信頼関係である。支持する人々という狭義の人々ではない。 地政学を地理から考える傾向にあっては忘れがちだが本当に大事な点はそこにこそあるのだ。

 地理的に不利だからと戦ばかり繰り返していてはやがて滅ぶ。信玄も不利な土地であるにも関わらず治水鉱山に力を注いで少しでも自国を豊かにした。

 にも関わらず中世では無い、科学技術が発達した現代において同じ過ちから抜け出ていないからこそ、露西亜の無意識、不当な緊張感を払拭できなかったのでは無かったか?

 自国民をどれだけ豊かにしてきたか。情報と自由を規制して民力を喚起しないのは富国の概念から外れている。現在、ロシアは徴兵に自国民を駆り立てているが唯々諾々の人々が多く、批判的な人々には刑罰を当てている。

 その支持する人々にあっては既に国外に逃げる者達もいる。愛国心とは彼らにとっては心中にどのような位置にあるのだろうか。難を避けて嵐が収まれば戻ってくるのであろうか。
 戦争で荒廃した日本に、日本人は難をさけんと国土を離れたとは寡聞にして知らない。一飯すら不自由な生活にあっても自分の生活と国の復興に働いた祖先達がいたことを日本人は知らぬ者はいない。

 「どうする家康」にあって後々語られるであろうが、徳川家康は父祖の地・三河から関東の田舎に国替えさせられた。しかしながら、三河武士達は開墾と国造りに精を出して不遇を幸運に変えた。
 関ヶ原以後の活躍は正にその努力のたまものである関東八州の数百万もの石高に支えられている。嘗ての岡田信長の天下布武が尾張美濃による百万石の財で支えていたように。

 家康の誇る三河武士は、今川支配から独立した後でも嘗ての生活苦しさで働いた野良仕事を今度は兵糧のたしにと、畑仕事に従事する者もいた。自発の精神こそが人と国共に栄える精神である。命じられるだけで従うなら機械のメモリーでよい。
 露西亜のウクライナ戦争にあって露西亜人の何人が三河武士達の逞しい精神を持っているだろうか? 

 甲斐武田家滅亡にあって甲斐の民は侵攻する織田軍をむしろ歓迎したという。人は堀、人は石垣、情けは味方、仇は敵なりと信玄は唱えたようであるが、史実はそれが領民にまで浸透するまでに至らなかったと証明されている。

 利に集まっている者達だけでなく、繁栄を遠くまで及ぼすことが必要です。豊臣家屈指の政治家・石田三成の武将である島左近が残した言葉である。

 人の世にあって、地の有利不利を戦乱の理由にするのは実は為政者政治家の業務逃避にすぎないのではないのかと史実は語っている。

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地政学」カテゴリの記事

コメント

CIC担当殿コメント万歳です。
 
> ロシアがどんなにいっても、始めた責任は明らかにロシアにある。
>自分が、大陸国家だという事を、物の見事に忘れていたのでは?
    
 うしつぎは忘れていないからこそ現在の惨劇になったとみてます。共産主義の洗礼を受けた国は旧弊主義が残ったままになると考える。
         
>到着後は、数多くの海賊を見つけて、多くの国の艦船から感謝されています。
     
 こういうニュースをドキュメントするだけでTV視聴率だって稼げるのになぁ。。
        
>どうしても、家臣団が限界だったのでしょうか…?
       
 恐らく家臣団を統御できる人物がいなかったのかもしれない。勝頼は他家からきた当主、長篠で家臣団をまとめられる年長の強者が多く戦死では流石に民政まで届かなかったのかも知れない。
       
>亡命しかない。
     
 どこへ??? 中国かブラジルか?どちらにせよプーチンはWWⅠの独皇帝の運命でしょうか。

投稿: うしつぎ | 2023年4月22日 (土) 21時01分

>ウクライナを米国、欧米が援助したから戦争が
>起ったのだと
 何を寝言を言っているのだね?と言いたくな
 ります。
 地図か地球儀を見て見ろ。
 ロシアが欲しかった不凍港があり、そこから
 さらに大洋に進出できるとしたら、ボスポラ
 ス海峡への道をしかない。
 プラス、緩衝地域も得るとしたらウクライナ
 を取るしかない。
 が、食いすぎは腹によくないし、力による強
 引な現状変更は、周囲が過敏に反抗する。
 現状変更という花粉が周囲にばらまかれた結
 果、花粉症になって周辺国家は、それを止め
 ようとした。
 大陸国家は隣り合って、大きな大陸を形成し
 ている為に、嫌が応にも、花粉症に掛かり、
 様々な影響を受ける。
 仮にウクライナを緩衝国家にしても、それを
 見て「明日は我が身。」と考える国家が出る
 可能性も出てくる。次はポーランドでしょう
 か。
 NATO加入を認められた、フィンランドと
 スウェーデンもいる。これにより、ロシアは
 半包囲され、戦火は広がっていく。
 ロシアがどんなにいっても、始めた責任は明
 らかにロシアにある。
 そして続ければ、燎原に走る火の如く戦火は
 広がっていく。
 自分が、大陸国家だという事を、物の見事に
 忘れていたのでは?
 ウクライナにしても、ロシアの思惑通りにな
 る理由はない。
 蕞の住民たちの様に、自分たちの国を何が何
 でも守り抜こうとする。
 机上の計算だけでは、戦はできない。
 結果、大きな戦果を得ないまま、全戦線が後
 退し事実上、守りに入った。

>国を豊かにして戦に勝つには信を基本にする
>ことを教えている。
 どうする家康で義元がっていましたが、農民
 や商人が汗水働いて税を納めてくれるからこ
 そ自分たちは暮らしていける。
 それを忘れた時に亡ぶ。と、重く大切な教訓
 を家康に授けていましたね。
 六韜兵法も富は自分と側近だけでなく、自分
 と民と共に分け合うべしと説いています。
 あくまで側近だけが潤うようでは、民のモチ
 ベーションは下がり富国は夢のまた夢。
 王や側近だけでなく、自分たちの暮らしも潤
 うそう考えて、初めて富国足り得る。
 信玄はその為に、甲斐の川の流れで大洪水が
 起こるのを変えるために20年以上かけて、信
 玄堤を作り、甲斐の城下も大いににぎわった
 そうです。
 軍師の勘助は、何時の日か戦いも終わると確
 信し、自分の息子に僧になり学問の道を究め
 ろという言葉を残しています。
 堤で川の氾濫もなくなり(今でも大いに役立
 っているのですから、本当に大したもので
 す。)、領主が庶民の暮らしを楽にしようと
 苦心することで、民も信玄を信じた。
 幾度も戦をしましたが、それでも民の為に力
 つくすことを忘れなかった武将でした。

>ロシアは徴兵に自国民を駆り立てている
 現在、40万を徴募する計画ですが、到底無
 理でしょう。
 優秀なエンジニアを始め、既に多数が国外に
 逃亡。
 現在、さらに増えているようです。
 優秀な素質のある人間は、ほとんどいないよ
 うです。
 装備にスコップを持たせていると聞いていま
 すが、今度はなんでしょう?
 突撃銃がそこを突き、ツルハシ等の光武を持
 たせても全く不思議には思いませんね。
 それくらい、ロシア軍の武器弾薬の欠乏は酷
 いですから。

>一飯すら不自由な生活にあっても自分の生活と
>国の復興に働いた祖先達がいたことを日本人は
>知らぬ者はいない。
 う~ん。
 そう言った方面の教育がおろそかになりつつ
 ある気配があるのが、現在の日本。
 愛国者教育とでも、思っているんでしょうか
 ね。
 実際にあった、伝えるべき大切な事、受け継
 ぐ教訓。
 それを伝えるのが歴史教育だと思うのです
 が、以前から私が感じていた、いい点を取っ
 て学校に行くための科目にさらになりつつあ
 りますな。
 まだ生活が苦しく、GHQの命令ではありま
 したが、自衛隊を発足。
 そこからは、爪に火を点す用に、国防の盾を
 充実させていきました。
 いまや、世界でも指折りの海軍。
 海賊監視においては、運用費が高くて複数機
 を運用するのは難しい哨戒機を派遣し、そし
 て、現在は純国産のさらなる高性能を誇る新
 型機を派遣。
 マスゴミは碌にというより全く記事にしませ
 んが今は国際平和を守るためにも尽力してい
 ます。
 哨戒機が根拠地となるアフリカのジブチに到
 着した際は、閣僚や軍の交換が汗びっしょり
 になりながら待っていたそうです。
 到着後は、数多くの海賊を見つけて、多くの
 国の艦船から感謝されています。
 ジブチを根拠にする際は、非常に短期間で決
 まりましたが、これもODAで他国の様々な
 問題を解決するのに尽力し、多くの国々の信
 頼を得ているのですから。

>甲斐武田家滅亡にあって甲斐の民
 あの信玄でさえ、民と共に富を共有しなかっ
 たということですか…。
 どうしても、家臣団が限界だったのでしょう
 か…?

>地の有利不利を戦乱の理由にするのは実は為
>政者政治家の業務逃避にすぎない
 一つ言えることは、今回の戦乱の最大の戦犯
 はプーチンです。
 中国が平和裏に停戦条約を結ばせようと考え
 いるらしいですが、まともに交渉で終わらな
 ければ、亡命しかない。
 ウクライナ軍も突き立てる爪と牙の研ぎ具合
 は、そろそろ上々になる様子。
 全戦線で後退したロシアに対し、ウクライナ
 軍の爪と牙が突き立てられようとしています。

投稿: CIC担当 | 2023年4月18日 (火) 00時52分

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