第45話 杏はうまい まつのした
二人のプリンス
関ヶ原で敗れて浪人となった武士が大阪に集まり始めている。
そんな中で雅楽を鮮やかに舞う豊臣秀頼。
憂慮した家康ら幕府は天子様の後譲位の際に秀頼を二条城にお招きして徳川に臣下の礼を取らせようとする。正純ははっきり白黒付けましょうと言う。
阿茶はそうすんなりと行きましょうかと不安を口にする。将軍秀忠は気が気でない。
家康は太閤秀吉以来大阪、京は豊臣びいき、こちらが秀頼に迂闊なことをすれば万民の怨嗟はこちらに注がれると言う。秀忠は焦るばかり、もしや天下を譲るというのではありますまいなと父に問う。 家康はうまくやれと言っておると宥めて答える。
縁側にいた正信が謀議の間に入り、二条城に秀頼様をお呼びしましょうと言う。そして、上座に座らせて此方が頭を下げるのですと。倅・正純はこちらが頭を下げるのですかといきりたつ。
しかし、正信は武家が頭を下げて崇めるのは誰じゃと逆に問う。正純は戸惑う。阿茶は公家と答える。
徳川は武家、豊臣は公家であるとこちらで決めてしまえば問題ないと言う。正純は父はこういうことには頭が回ると悔しげに言う。お褒めにあずかり光栄ですと頭を正信は大殿に下げる。
策はそれでいこうと暗黙の空気が場を占る。北政所様にお伺いしてみようと家康は言う。
北政所が大阪城にやってきて秀頼と淀に説得を始める。淀は臣下の礼をとらせようと苛立つ。復権してきた大野治長も二条城に行くことには反対する。
それでも北政所は食い下がって天下のためにと説得する。そして、その横にいた武将が行かなければ行かないで臆病者とみられますと言う。
加藤清正⇒福島正則はもう関ヶ原まで参加しているからこの場というか大阪城で説き伏せるのが難しかったのかな? 秀吉子飼いの家臣にして豊臣派の大名である加藤は、この加藤清正は何百万であろうとも秀頼様に何かしようとするなら叩き潰して無事に元の大阪城にお戻しいたしますと忠烈の気概を込めて二条城に行くことを説得する。
清正の気概に心を動かした秀頼は上座から立ち上がり、後ろの母に首を縦に振る。秀頼が決めたのであればと、淀君はそなたをお披露目する時じゃなとほくそ笑む。
二条城
先に家康ら幕府側が待っていた。そこに輿で乗って秀頼がやってきた。輿から下りた豊臣秀頼はかなりの長身であった。かしこまった家康ら幕府側が頭を下げる。
すると、秀頼は家康を見つけた途端に小走りして側まで近寄る。これには清正も驚く。 秀頼はおじいさま、秀頼でございますと間近に来て家康に挨拶をする。
心中で驚く家康はそれでも丁重な態度で北政所様のお招きにより部屋まで同行する。そして、上座へと家康は秀頼を誘うが秀頼は上座はおじいさま家康と逆に譲る。 そして、私は武家としてお支えしますと言う。
会談が終わると丁寧な秀頼、傲慢な家康との風評が広がり始めた。してやられたと正純が吐き捨てる。憮然とする正信。阿茶は秀頼殿はどのようなお方ですかと家康にきく。
涼やかで振る舞いも良いと言うが不意に嘗ての大敵を思い出して、秀吉じゃとはっきり言う。
家康は三浦按針に大砲を輸入するように命じる。按針は武器輸入に難色を示すが、家康は平和のためには脅しの武器も必要だと言って説得させる。⇒💥§(* ̄▽ ̄*)§💥当時のイギリス(アルマダ海戦)、オランダ(独立戦争)の歴史を知るウィリアム・アダムスがそんな軟弱な態度を取るとは思えませんなぁああああ。
大阪では秀頼も鍛錬している。大野でももう歯が立たなかった。誇らしげに思う淀君。年月が解決しますと大野は言う。家康が世を去れば凡庸な二代目、才気溢れる若君と比較して天下はどちらに期待するか言うまでも無いと。⇒そこまで分かっていて追い詰められた相手が仕掛けてこないとまでカンガエンのか??
江戸では秀忠が自信喪失していた。方広寺の大仏殿供養はなんとかしてください、あれは益々豊臣の威光を増すばかりですと。
阿茶は心を強くお持ちなされと励まし、正純が幕府への忠誠の誓約書を取り交わしていますと将軍を元気づけようとする。
しかし、そんなものが何の役に立つと秀忠はぶちまけてしまう。自分は秀頼に負ける自身があるとまでいう始末。世間でも熟して落ちた天下を秀頼が待って取っていくとまで唱っていると。
弱気な秀忠に家康はそなたは紛れもなく儂の才を受け継いでいると言う。何をと言わんばかりに秀忠は顔を背ける。しかし、家康はそれは己の弱さを誰よりもよく知っていることだと、それを大事にせいと励ます。
自分も嘗てはそうであったが、乱世を生き抜くためにそれを捨てざるを得なかったと。そなたの弱さは嘗ての儂、まぶしいとまで言う。 話を聞き始めた秀忠は家康に顔を向ける。
家康は秀忠に争いを欲する奴らに天下を渡すなと言う。王道と覇道とは何ジャといきなり秀忠に問う。
秀忠は王道は徳を以て世を治め、覇道は武を以て世を治め、覇道は王道に及ばずと答える。⇒今川義元の教育生きてますなぁ。 ちゃんと分かっている秀忠に家康はそなただからこそ、儂の志を継いでくれと言う。
自信喪失していた秀忠はそこまで言ってくれる父に感動し涙が流れる。 正信も嘗ての一向一揆の時を思い出したのか気恥ずかしそうになる。
その方広寺大仏殿供養における鐘の銘についてせいかん文英が淀君に候補案をいくつか出していた。どれになさいますかと。淀君は面白いのぉと言ってその文言を見ている。
そして、始まった。
始まってしまった。
国家安康 君臣豊楽 方広寺の鐘の銘が家康を呪詛していると幕府が反発する。
家康の元に将軍も駆け付けて今後を討議する。正信は林羅山、金地院崇伝を呼び寄せて漢籍から銘の選定について反論させる。
ここまで愚弄するとなれば戦しかない。将軍他徳川側は反発の機運が高まっていた。 一人、家康のみが戦かと遠くを見る目で呟いた。
ようやく歴史物語としてしっくりくるようになりました。。。
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