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信約キングダム 335回

キングダム 第335話

#「最初の夜」
 日が暮れて趙軍が撤退する。自分たちの力で守った蕞の民兵たちは喜びを露わにする。歓声が上がり、飛信隊の田永だけでなく歴戦の兵たちも城を守り切ったので歓声を上がる。

 信の下に楚水が合流する。楚水に信は李牧軍にしては物足りないと言う。楚水は今回の李牧軍は別働隊故に井闌車などの城攻め兵器がない、単純な梯子と矢では李牧軍でもこういうものだと答える。
 こちらの被害も軽くない、東壁はひどくやられている。信に楚水が報告する。 渕さんも日が暮れたから退がったのも夜営準備と考えれば自然と言う。 それでも納得しきれない信だったが、李牧がどう動こうとこちらは登ってきた敵をぶっ潰すだけと皆に檄を入れる。

――― 一方 同時刻の函谷関 ―――

李牧が合従軍本軍から離れてから函谷関の攻防は膠着していた。

 楚軍大将汗明を撃破した蒙武軍が趙軍に騰軍を、魏・韓軍に王賁軍で圧力をかけていた。
 合従軍が前がかりで攻められなくなったせいもあるが、李牧が南道より咸陽に迫ったのも大きな理由である。

 合従軍大将春申君には分かっていた。咸陽とその一帯の兵力のほとんどが函谷関に投入されていること。それ故に函谷関の秦軍が咸陽に戻らぬように目を光らせておくだけで良かった。

楚軍では暇を持て余す媧燐が項翼を誘っているが、項翼は必死で逃げている。
さっさと落とせよ李牧と愚痴をこぼす。あんまり待たせるとこちらの歯止めがきかないと物騒なことを言っている。

函谷関を守る秦軍にも咸陽の危機は伝わっていた。だが、どうすることもできなかった。援軍を咸陽に回せば合従軍が一気に猛攻をかけるのは目に見えていた。だからこそ、咸陽からも総司令は兵を動かすなと命令が来ていたのだった。

夜営の趙軍。 李牧が将達に流したと言う。民兵が予想以上に気を吐いていたので力技は得策でないと切り替えたと説明する。 咸陽を控えているので被害を最小に抑えたいと。

 傅抵は東壁ではガチでせめてなかったですか、せいえいぶたいとかと晋成常将軍に問いかける。晋はそうでもないと答え、ついでに傅抵にワシより前に出るなと注意する。麃公兵は歴戦の勇にはこちらも血を流さねば打てないと晋将軍を李牧がフォローする。

 民兵は違う。傅抵の言葉に李牧はもちろんと答える。士気が高くとも素人、彼らの戦いの経験の無さをつくと李牧が策をひねり出す。

「我々は持っている力の半分で蕞を落します!」

>> なんぞや、その半眼で物申すキザッぷりは! 我らの世界作ろうとしたG・ヴァザーゴのパイロットのようだ(汗)。

李牧は半分の言葉に傅抵だけでなく他の趙将達も驚いた。李牧は四万全軍をきれいに前と後ろの半分に今すぐ分けてくださいと命じた。

夜襲が。。。 その夜、蕞の城に敵襲がきた。休んでいた兵士達が一斉に起きて城壁の持ち場に向かう。 貂の指示で城壁の上には十分な兵を置いていた。それでも昼間と同じように必死に民兵たちは応戦する。

 本陣にいる政や貂も状況を知ろうとするが、暗闇でわからなかった。敵も火を消していた。こちらに数を悟らせないためと蒙毅の言葉に貂もその通りと頷く。 偽兵(虚)か油断しさせておいて攻める(実)か分からない。政はしばらくは昼間同様の態勢で様子を見るしかないと言う。貂もそれ以外に方策はなかったが、そのしばらくはいつまでなのかの問題が大きいと不安が広がる。

不安的中、戦の緩急。 夜襲にはカイネも傅抵も参加していなかった。カイネはさっさと寝るぞ、明日は早いと寝ようとする。そうだなと傅抵も同意するが、同じテントで寝かすカイネではなかった。傅抵を容赦なく蹴り飛ばす。

夜襲をかけていたのは半数であり、残りは眠っていた。夜襲組も城の射程に入って矢を放ったのは更に半数で、残りは周りで声を上げていただけ。

その暗闇に蕞の兵は必死に矢を放っていた。

その半ば形だけのこの夜襲は夜通し行われるのであった。

戦の緩急を使う策に出た李牧。形だけの夜襲を見て眠りについた。 

>> ううむ、兵法の王道で攻めてきたか。これはきついわ。

quotation:義風捫虱堂「きみ(李牧)が兄さんに見える by G・アシュタロンのパイロット」 130327

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