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信発キングダム 365話

#「白老の言葉」
 大将軍蒙驁危篤。 臨終前に何とか間に合った信と蒙恬。だが蒙驁の意識はなかった。

その蒙驁の意識は暗闇に立っていた。倅はまだかな、恬もまだかと家族を待っていた。馬蹄が響き、近づいてくる者がいた。だが、それは…

六将━━━━Σ( ゜Д゜||||)))))━━━━!!!! 全員武装して騎馬に乗り、輝く空の下で縦横無人に蒙驁など眼中になく走り去る。その凄まじさに蒙驁は倒れる。⇒あの世でも追い出されるのか…。

自分を呼ぶ声に気づいた蒙驁はその声が聞こえる方向に顔を向ける。声の主は孫・蒙恬だった。意識が無かったのに動いて、しゃべったと信が教え、皆がそれにいちいち驚いた。孫の顔が見れた蒙驁は待っておったぞと声をかける。 待っている間に嫌なものを見たが、間に合ってよかったと。 信も来てくれたと孫の声に蒙驁は寝台から身を起こして、語り始める。危篤の身でと家人たちが止めようとするが、蒙恬はそれを制する。

儂は英雄になりたかった。――が、その才能は無かった

出だしは最悪で生国「斉」では全く芽が出ず、そこから武(倅)を連れて各国を巡ったがそれでもダメじゃった。⇒ 楚は異邦人受け入れ不可だから無理だとしても韓でもダメって??? そして西の果て「秦」国についてようやく少しずつ芽が出だした。――

蒙驁は武を思い出して家来に問う。しかし、当人は駐屯先の角炎で敵と対峙中だという。蒙恬は舌打ちするが、祖父はあやつらしいと気にせずに話を続ける。

秦につき儂は少しずつ功をつんでいった。――が、

その横では あの六将達が何倍もの早さで武功をあげまくっていた。 
たまらぬぞ、あんな化物達と張り合えるわけがない。
早く死ねと思うほどに嫌いじゃった。

⇒ ( ̄○ ̄;)ですよね―――! 意外な面に信が軽い驚きをみせる。

  • じゃが、本心の…心の底では かっこいいなーといつも思っておった…。 ふむ、かっこよかったのー六将も三大天も…。 

信が耳を傾けている。蒙驁はそして今に英雄を目指す若者二人に英雄になれなかった老人から金言だと餞別を送る。

蒙恬と信と王賁 三人一緒に高みへ登れ

分からぬ二人に話を続ける。手を取り合う必要はない、時には対立するのも結構、ただ三人が意識し合い共に登っていけばその関係は必ず大きな力を産むと。六将達がそうであったようにお前たちもと蒙驁は彼らに先の路を示す。そういう戦友の形もあると思うぞ、儂はそこには入れなかったがと苦笑する。そして、彼らに負けぬ英雄に…と言うが言葉が小さくなったので蒙恬は声をかける。 再び蒙驁はいや、それにしても長い旅じゃったのぉと人生を語り…、

Σ(゚д゚;)止まった。 信も家人たちも気づかなかった。若様に問うと、蒙恬は首を横に振った。 

始皇七年(紀元前240年) 蒙驁死去

多くの家人たちもその死に涙を流す。蒙恬は祖父の頭を優しく抱きしめる。六将じゃない、俺にとってあなたが一番の英雄でしたと。お疲れ様、ありがとうと別れの言葉を涙と共に捧げる。

 陣中で父の訃報を聞いた蒙武。戻らなくてよかったのですかと副将・丁之が心配するが、蒙武は戦はそんなに軽いものではないと言う。あれだけ苦労したのだから、それは親父が一番分かっていると。 そう言って蒙武は酒を少し飲むとその場を後にする。

 酒の肴に思い出したのは仕官の旅路であった。寒空で宿泊できず民家から納屋まで借りて一夜を過ごした時もあった。 小さい体を父の大きな体であっためてもらった時、苦労を掛けるなと子供をいつも気にしていた。全然と強がりを言っていたあの頃の自分。。。。

 あの旅路を思い出して苦笑する蒙武。すさまじい長旅であったなと戦い続けた父に息子は盃を空に捧げた。

(  ̄^ ̄)ゞビッ 栄光、混迷、黎明と戦国を見続けてきた老将去れり。

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