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あえて言おう!うしつぎだけがロウアイと太后様を弁護できたのだと!!

キングダム第436話

傾城たるその美舞は、光なき道の序曲(はじまり)だった―。

#「最後の嘆願」

 ヾ(_ _*)・・・息子に土下座した太后が語りだす。

〈太后の告白〉

  1. 最愛の男にその出世の道具のために捨てられた。
  2. 人生の転落スタート。好きでもない男をあてがわれ、その男にも置き去りにされ、そこから悪意の只中で生きるはめになった。⇒汚らわしい秦の王族を産んだ女だ、やっちまえって鳥肌たつわ。。。
  3. 大人だった私にはもっと過酷で惨めな日々だった。
  4. 置き去りにした男が秦の太子となり、咸陽に連れてこられた自分も后になったが救われたことは一度もない。
  5. もはや何が何だか…何をしても灰色の…無味無臭の世界にずっといた。
  6. 嫪毐と出会い、子をなしたことで何かが変わった。⇒とうとう告ってしまいました。廿年以上渇ききっていた地に水を注がれ沁みていく心地を与えてくれた。
  7. 嫪毐は助からない、私も助からなくていい、どうか二人の子供だけは、あの二人の子供だけが私の全てだ。あの子たちまで失ったらクソみたいな私の人生は何も残らない。
  8. 政、どうか二人の子供の命だけは助けてくれ!母からお前への最初で最後の頼みだ!!

皆が太后の願いを固唾をのんで見守っていた。それに対する息子・大王様の返答は…。

 NO!! 「残念ですがそれでも救えません。理由は… ⇒ (`Д´)現実は非常であるとポルナレフも言ってました! この国に反乱の芽を残してはならないからです。 」

 息子の模範回答に太后が遂にキレた。 隠しておいた短刀を抜き放ち、大王様へ襲い掛かろうとした。 その場の者達も仰天したが、昌文君が衛兵に太后を取り押さえさせた。 
 男共がと激昂する太后はお前なんか産まなければよかったと涙声で叫びまくる。その声に大王様は何も言わずのままでいた。 

 しかし、太后の激昂に告白ナンバー8でキレかけていた向氏が堪忍袋の緒を切って叫ぶ。

「二人の子に向ける愛情をどうして政さまに向けてあげられないのですか、大王様にとってたった一人の母親ではないですか。」

 后である向氏の言葉は皆の胸を打ち、大王様も思わず目を伏せる。 しかし、太后の激昂は止まらない。

Photo

 

これより、うしつぎが太后様と嫪毐を弁護しながら今回の感想を書きます。

 

愛情を向けろ、向けという世界の中で・・・

その男、嫪毐が涙ながらに口を開く。その言葉は太后の激昂を止める。  

「太后様もうあきらめましょう。決起した日の夜に…こうなる覚悟も二人でしたではありませんか。」

非力でも確かに…

「私たちは…敗れてしまいました。も…申し訳…ありません。 に…二度と…う……もう二度とあなた様が涙されぬようにとっ精一杯頑張ったのですが力不足でした……。お許しください太后様…うぐぅっ。」  自分を少しも責めず慰めようとしているその男の言葉は太后の目から怒りを解き、涙を変えていく。

捨て石にされた痛みでのたうちまわっていた自分に…

自分だけの哀しみの舞を最後まで見続けてくれた客が!

自分を慈しみで受け入れる場所が確かに存在した!! 

子供たちの事は残念ですが、あちらで私が育てるので大丈夫と嫪毐は言う。 

 自分を捨てた最愛の男。好きでもない男から産まれた子。共に自分を必要としない意志の人間たちだった。 

猫は飼い主の性質を見抜く。 捨てられた痛みを癒せる場所は共にそこには無かった。つけ入る隙も休む場所もなかった。

弱き者は食われる時代。誰かがそう言っていたが、戦う術を持たずにいきなり戦いの場に放り込まれた。 逃げることすらできない権力権勢の場。休むにも力を振るわねばならないのだった。

 そこへ降って湧いたその男は言う。

 私はあなた様とお会いできて人生に大いに意味を持ちましたよ。本当に幸せでしたと太后に答える。 ありがとうございましたと挨拶した嫪毐は処刑器具に向かう。 痛みでのたうちまわった自分に感謝を述べた男の名を太后は叫ぶ。その目にもう怒りは無かった。

 

 かつて仇敵の国・趙で想像を絶する虐待から不肖の身にされた政王子は脱出の際に紫夏の献身で救われた。

 そして、同じように地獄の日々から癒えぬ太后は嫪毐の献身の言葉でその怒りが解ける。

 太后のやったことはいつの時代の規範であろうとも明らかに身勝手である! 

 しかし!o(゚Д゚)っ、あえて言うなら、その身勝手さをでかくしたのは男共の身勝手さでもある!!  そんな中で何もない男、嫪毐だけが捨て石の痛みでのたうちまわる太后を受け止めていたのだった。

 国家反逆罪であろうとも太后には嫪毐とその子は癒しと救いであった。
 政にとっての紫夏、太后には最後だったがロウアイがそれだったのだ。

紫夏の死に泣いたことで政は本当の人の感情を取り戻した。 そして、太后もあの時の息子と同じ道に遅まき過ぎながら入ろうとしている。

 

。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。やっと太后も光で泣くことができるだろう。

 

自由が救いになるのではない。救いとは本当の自分を受け止める場があることである。

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