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上兵は謀を伐つ

#486「文官達の戦い」

〈 咸陽 〉

 文官達が謀略を討議していた。六国全ての動きに目を光らせつている彼ら。一人の文官が再度の合従軍が興る可能性を口にし、皆が沈黙する。しかし、右丞相兼秦軍総司令官・昌平君は合従軍は興らぬと断言した。

(*^m^)石ノ森章太郎さんの漫画なら大王様の台詞だったな(笑)。 四年前の合従軍は二十年間大楚の宰相だった春申君の名声と王騎・劇辛を討った李牧の名声が重なった信頼で興り得た。
 だが、春申君は死し、李牧も合従軍失敗の汚名返上ができていない。故にあれほどの大掛かりなものを興せる人物は今の中華には見当たらないと論破する。 そもそも、あんなものはこの俺が二度と作らせはせぬと昌平君は二の舞はやらせる覚悟を見せた。 側近の介億も国間のつながりを妨害する汚れ役も多数はなっておりますればと対抗案も講じている旨を明かす。
 右丞相の言葉で少し安堵する文官達。 しかし、当の本人は東に鎮座するあの人物を思い出し、念のために東への目を増やそうと考える。

 討議もまとまった時に大王が次に刃を交える国は何処かと今後の戦略を問うた。

 昌平君は予定通り、趙国ですとはっきり答える。黒羊という楔を活かし、次が本当の攻勢と言おうとするが…、

 蔡択から急報がもたらされた! 伝者が伝書を持ってくるが、その伝書は朱と青の封が施され一同が驚く。 それは国運に関わる報せを意味していた。 外交の長たる蔡択様が何を知らせたのか? 趙の戦略会議から伝書の中身に関心が移る。

〈黒羊〉

 引継ぎを終えて飛信隊が帰国しようとしていた。引継ぎとは言うが五日のうち四日は飲んでいただけだった。。。

 ((・(ェ)・;))麃公将軍のように酒が離せない性になったか。 やっと解放されると楽華隊がほっとして見送る。ダダこねようとした信にさっさと行けと怒鳴りつける。その場に咸陽本営から急報が来る。報せの内容は…

 休戦!一時休戦!! どことだと信が聞くと、伝者が趙に決まっていると大声で叫ぶ。こちらから仕掛ければ重罪に処し、大至急に配下たちの周知徹底を図るように言われる。 
 黒羊を取りながら休戦、趙側も合意の急展開に信は軍師の貂に問う。貂も分からない。説明もなく一時の休戦には貂だけでなく、楽華隊の爺や蒙恬は咸陽が相当慌てていると想像する。そして、蒙恬は何か突発的に想定外のことが起こったのではと考え、今後に嫌な予感を覚えるのだった。

〈 咸陽 〉

 王都にものものしい警護の中、国籍不明の一旅団が到着した。貴人の馬車から降りてきた人物に護衛は驚愕する。

始皇十年[紀元前237年] 斉・趙来置酒。:斉と趙が秦に来朝した―『史記秦始皇本紀』より抜粋

蔡択が趙・李牧と斉王・王建を咸陽に連れてきた。 驚愕した文官達は一斉になって蔡択を問い詰める。大王も丞相たちも動揺を隠せない。

 揺れる秦朝廷に蔡択は独断・無断で動いたことをまず詫びる。段取りを踏んでおると危険度も増し、実現が困難になるのだと理由を述べる。 当然の理由はともかくもその目的を文官達が一斉に問い質す。昌平君も話が見えない、なぜあの二人をと問う。

 それに蔡択は一人じゃと答える。文官たちは呆けたと固まるが、大王が斉王かと言う。 蔡択はその答えに流石と言わんばかりの顔でいかにもと返す。 斉王が咸陽に来るには趙国を通らねばならないからだと。 
 その旨を趙に伝えると、無事に通る条件に金とりぼくも同行して秦王に謁見する機会をと言われたので、可として連れてきたとあらましを報告する。

 王をないがしろに、大逆罪ですぞと吼える文官達。 蔡択は後でこの小首をその辺の棒キレで叩き折ればいいと言う。 されど、かつて東帝と西帝と中華に恐れられた時代もあった東の斉王と西の秦王が直接会って対話をする意味を考えれば、この首など蝶の羽より軽いと言う。⇒秦昭王と斉湣王の時代

;:゙;`(゚∀゚)`;:゙わっはっは、相変わらず頑固だねぇby某名作漫画より抜粋。 蔡択は私の最後の仕事としてお引き受けいただけませぬかと大王に進言する。 

 列国を滅ぼさんとする王としてそれを東の玉座で受けて立つであろう斉王と舌鋒をお躱し下さいと。 

Photo ( ̄○ ̄;)!戦国の興亡を最も俯瞰してきた蔡択 最後の仕事を始めるのだった。

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