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兵半ば

#491「秦の障壁」

 

連載開始以来の大王様ブチギレ宣告を受け、李牧以下趙臣らは去る。 失礼しますと一礼して、李牧が大王様の前から去る。 しかし、聞き捨てならんなと右丞相・昌平君が李牧を呼び止めた。

 その頃、斉王・王建は秦の料理に舌鼓を打っていた。女官がもう一人の蔡択を起こそうとするが、斉王は寝かしてやれと言葉をかける。  どの料理も上手い、全ての素材は秦のものかと問う。

 料理長は全ては他国に引けを取らぬ秦の食材でありますと答えた。 正に秦の米に肉に野菜だとの斉王の言葉に料理長も同意する。 だが、斉王は明日からそれらの食材が趙の食材と言わねばならぬとしたら、そなたはどう思うかと問う。

 斉王の問いに料理長はそれは許しがたきことですと答える。 その答えに斉王は微笑し、やはりそれは許し難きことかと光の前の障壁の存在を察するのだった。

 李牧を引き止めた昌平君が後悔するその意味を問う。 分からんのか秦国総司令官と軽く愚弄した後、李牧は本気で秦国が六国制覇に乗り出すなら最初に滅びるのが秦国であると言い放つ。 秦の群臣たちは大いに驚く。

秦の六国制覇は持久力との戦い、ならば戦略的に中華の中心に位置した趙国を早い段階で攻め滅ぼす必要がある。 だが、この私がいる限り趙国は滅びぬと李牧は断言する。 

そちらが必死になるほど、こちらは内地に深く引きずり込んで秦軍を徹底的に討ち滅ぼす。こちらの被害もただで済まぬが、「相殺」でも構わない。 そうなれば疲弊した秦を楚の媧燐が北上して咸陽まで攻め落とすのだと。 趙と楚で正式な約束があるわけではないが、あの媧燐がその好機を見逃すはずがないと。

 李牧の描く戦略図に秦の群臣達が動揺する。しかし、その秦の全軍を統括する総司令は…、

Σ(゚□゚(゚□゚*)「キングダム」屈指のイケメン軍師同士がガン飛ばしデスワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!! そうなる前にお前を討つと言っておるのだと昌平君が李牧にメンチきった。。。

 ほう、では誰がこの私を討つのです? 李牧が昌平君を見返しつつ言う。 桓騎、蒙武、騰、王翦と秦将を並べ、そんな目で中華統一を成せると思っているのか、笑わせると李牧が昌平君を嘲笑した。

更に李牧は言う、貴公らは今秦が抱えている将軍たちとこの李牧と差がどれほどの開きがあるのか分かっておらぬ。この際だからはっきり教えてやると。

今いる秦将全員がまとめてかかってきてもこの李牧の相手ではない!それでもやると言うのならかかってくるがいい!! 李牧は吼える。 

だがこれだけは覚えておけ。趙は絶対に落ちぬ。この戦いで滅びるのは秦である!! 李牧は捨て台詞を吐いて秦の正殿から趙臣らと去る。
 李牧の咆哮を受けた後、秦の群臣らからふつふつと怒りが沸き上がる。 何が滅ぶだ、いっそここで奴を殺そうと息巻く者が声を挙げるが、介億が止めぬかと窘める。 ここで李牧を殺せば趙の地は秦が勝っても統治できぬ所となると。 その言葉で正殿の空気が静まった。
 左丞相・昌平君が安い挑発に取り乱すな、心理戦を始めたに過ぎないと皆に言う。 介億は昌平君に説得が目的ならもう少し粘るのですがと来朝の真意について問う。 昌平君もその辺りが読めなかった。  だが大王は知る。
 大王は俺の顔を見に来たのであろうと言う。どういう男がどういう顔で中華統一を語るのか、自分の目で確認しておきたかったか、そんな気がするとも。

 正殿から去る李牧は皆に二回目ですが咸陽は美しい都ですとぽつりと言う。馬南慈は私は邯鄲ですねと言えば、つられて幾人かも同じく言う。 馬が李牧にどうでしたかと問うと、彼は暫し瞑目してから先の展開が見えましたと答える。 
 全面戦争ですかと言う馬が豪快に笑った。 舜水樹は迷いがなくなりましたねと値踏みするように言うと、李牧も同意した。 カイネは初めて見せた李牧の咆哮に、先が見えるが故の「苛立ち」だと見抜く。 
 これから趙秦が不可避の過酷な全面戦争時代に突入することなのだとカイネが思う。カイネの推察を証明するかの如く、李牧は馬南慈と舜水樹戻ってすぐに二万の練兵に入るように命じた。

 思った以上に嵐が早く来る。 李牧の言うように趙国はすぐに軍事強化に国庫を開けば、秦国も国庫を開いて各地で軍事強化に入るのだった。

 

 軍事強化に入った秦国のとある地では━━━━キョロ(・_・ )( ・_・)キョロ━━━━

 本営から徴兵千人分の資金と米が大量に送られ、武器の発注も自由だとの命令が下った。それを受けたとある秦軍は秦国太近丁可村の北で新兵を募集し、選抜しようとしていた。
 隊の兵達の一人はきらきらした✨矛が欲しいと言うが、他の者から敵がそれ欲しさに群がってくるわとツッコむ。 別の兵から千人募集なのに二千位以上も集まってると言うが、馬鹿と言うまた別の兵が丁比や干でも募集をかけているから対象は三百までだと答える。
 三百の募集に二千人も集まるとはうちらはいつの間に人気になったのと感慨をこめて言う。 一人女の子は願ったりだ、ここで身体能力の高いものばかりを選抜できると言う。またまた別の兵が隊長は何処に行ったの、まさかまた道に迷ってるのかと言っている。

 新兵募集に応じた兄弟がいる。

 でかい体だが弟の方がこんな数から三百に選ばれるなんて受かる自信ないと兄に泣き言を言っている。 小柄の兄は大丈夫だ淡、自分の力を信じろと弟を励ます。
 弟の淡は何としてもあこがれのこの隊に入るんだと希望を胸に抱く。 そんな折、山から下りてきて募集に応じた兄弟が声をかけられる。

 悪ぃ、ここって新兵募集の集まりか? 軽く言葉をかけてきたその男(笑)に兄はこの人は絶対に強いと直ぐに感じ取り、震える。 兄はその男にそうだよと答えた。 やっとついた、ありがとうとその男(笑)は兄にお礼を言うと、そこから去る。

 兄は入隊希望なら並ぶのこっちだよと呼び止めようとするが、その男(笑)は呵々と笑って俺はこの隊のものだからいいんだよと答える。 驚いた淡が飛信隊の人と問うと、信はそうだと。 信は頑張れよ弓矢兄弟と激励の言葉をかけた。兄弟が喜んだのは当然。

 貂が信がやってきたのを幕舎の渕さんに知らせる。 いかつい顔に変身した渕さんは飛信隊入隊選抜試験を始めると宣言するのだった。

 Photo( ̄◆ ̄;)ようやく厳しい展開から180度変わります。。。

軍事で練兵は最も大事な仕事。さて飛信隊の新たな戦力はどれほど高まるのでしょうか。

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