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#526「槍と鉄槌」
王賁と馬南慈の一騎打ちが始まった。
王賁の槍が馬南慈を押しまくる。 その槍捌きは早さと正確さに魏火竜紫伯級の破壊力まで備わっていると玉鳳隊も圧倒されていた。 番陽は紫伯を沈めた賁様の槍は間違いなく中華の五指に入ると感じていた。
その豪槍を受ける馬南慈は受け止めてはいるが、その周りは気が気でなかった。 いちいち声をかける度に馬はその都度軽く答えていた。 一発も喰らってはいなかったが、王賁の槍には手をこまねいていた。 矛の間合いに入った途端に連打が来るので近づけない。報告以上の王賁の武と認める馬南慈。
もう数合あれば慣れると思っていたが、もう刻がありませんとの部下の報告が来る。続いて離脱しましょうとの具申まで来たので馬南慈が防御から切り返そうとする。 番陽はそれに気づき、王賁にその男が何か仕掛けると言葉をかける。
同時に馬南慈がこやつにまだこの儂の鉄槌を喰らわしておらぬわと言うなり、矛を投げつける。
槍で矛を払った王賁だが、その時には馬南慈が槍と右手を掴んでいた。 そして、そのまま馬南慈は王賁と馬上から地に倒れ込む。 組打ちしてからあおむけに倒れる王賁に馬南慈の拳が顔面に飛ぶ。 王賁は身をひるがえして躱す。躱した王賁が馬南慈の腕をきめようとするが、強引に振りほどかれた。
匈奴の人間離れした腕利きの頭をこれで何人も殴り潰したのだがなぁと馬南慈の躱された悔しさをにじませる。 部下が自分の名を呼ぶ。 当然、馬南慈も分かっていて部下から矛を再度掴んでいた。
亜光将軍が馬南慈へ矛を振り下ろす。同時に馬南慈の矛も振り上げて激突する。 その衝撃を重さを双方嚙み締める。 馬南慈は後からやってきた将軍に、どうやら貴様の方は相性がよさそうだと言う。
猛者二人同時に鉄槌を落とすには兵力が少々不足していたかとすぐに馬上の身となる。亜光は逃げられると思うかと言うと、この初日で馬南慈の首が取れるとでもと思うかと切り返す。 その時、王賁が後ろからの気配に気づく。
後ろから敵軍(最初に盾となっていた馬南慈軍)が迫ってきた。 偏り過ぎだ秦軍と馬南慈の声が飛ぶ。この場の趙将は儂一人ではないと。
【趙左翼本陣】
こちらの第一陣が復活すると趙峩龍は部下に言う。 理由は馬南慈軍が秦軍左に突っ込んだため。 秦軍を左から揺さぶり、秦将もそこに集まった結果、生じた秦軍横陣の力の歪みは押し込まれていた岳嬰軍が息を吹き返すには十分のスキだと。 趙峩龍の見立て通りに岳嬰は巻き返すぞぉと兵達に叱咤できるほどに力が戻っていた。
部下は更に我らが出陣すれば形勢は一気にこちらへ傾くのではと促す。だが趙峩龍はまだだと抑える。 我らの出陣は敵がもっと弱ってから食しに行くのだと秦右軍を見計らっていた。
そんな秦右軍の様相の最中、秦軍本陣では信が王翦に呼び出されていた。
伝者が呼ぶ前に信はさっさと王翦将軍の前に騎馬で進んでいく。 正面へ振り返りもせずじっとりと王翦将軍が信を見る。➡\(;゚∇゚)/ 親子揃って信への視線が同じになってしまいました。
王翦将軍の視線に戸惑いつつも、信はやっと飛信隊の出番、ずいぶん勿体つけてと軽口を動かす。 だが王翦将軍は八百騎選べと最後まで軽口を言わせなかった。
驚く信に王翦将軍は隊内で足の速い八百騎を選りすぐり今すぐ出陣せよと命じる。 信は混乱しつつも戦場はどっちにと問う。 暫し間を置いた後、王翦将軍は左だと言う。 左の戦場に割って入り、お前が趙将・紀彗の首を取って来いと。
o(*^▽^*)o
どっかで聞いたような命令ですなぁぁ。。。
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