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苦境の折こそ己にある真の力がわかるのだ

#572「カタリの仇」

 犬戎王と楊端和との最後の戦いが続いている頃、撩陽城でも最後の戦いが始まっていた。猿手族による別働隊は見事、城に侵入していた。留守番の犬戎兵達はどこから入ってきたのかと動揺したが、それでも山民兵たちと戦う。 
 
 戦況はやや犬戎が押していた。 猿手族は城壁を登った疲労があって十分に戦えなかった。敵の力がそれほどでも無いと感じる犬戎達が猿手族らを押し返していく。仲間が戻るまで持ちこたえるために。 猿手族が壁を登ってすぐは応える、思ったより敵の数が多いと弱音を吐き始める。
 そんな彼らにエンポ爺が檄を入れる。弱音を吐くな、外はもっと苦労をしておると前線に姿を見せた。 爺が前に現れたので犬戎達は真っ先にエンポ爺を狙ってきた。 味方が声をかけるが、エンポ爺は動かない…。 
 
 死んだのは犬戎兵達だった。 族長の横から巨大な二人の猿手族が犬戎兵を素手で殴り殺したのだった。 味方は青猿、赤猿と呼んだ。 やっと登ってきたかと味方が喜ぶ。族長は儂の守りは良いからいけと命じる。赤猿、青猿たちは犬戎兵たちに突撃して、瞬く間に敵を葬っていく。その姿に味方も元気づけられて再び戦い始めるのだった。
 エンポ爺が城壁から夜が明け始める空を見る。日の出までには必ず城を取るから、お前も必ず城に来るのだと楊端和に祈るのだった。
 
 その楊端和こと山民軍は犬戎王軍と死闘の真っ最中!!! 
 
 犬戎王ロゾとフィゴ王ダントの一騎打ちに壁軍加勢中。 ロゾ王が開始からダント王を押しまくっていた。 フィゴ族たちも王の苦境を見かね、参戦しようと試みる。だが、ロゾ王は駆け付けてきたフィゴ族兵たちを物ともせずになぎ払い、ハイになっていた。 
 その姿を後方から見ていた壁たちはこの男は人間かと恐怖しすくむ。 それでも流石に将軍である壁は切歯扼腕して恐怖を乗り越える。 怯むな、我らの手で犬戎王を討ち取るのだと秦兵達に犬戎王に向けて戦い始めるのだった。 
 
 ブネンが楊端和の存在に気づき、楊端和たちもブネンがこちらを狙ってると同時に気づく。 ブネン軍が楊端和軍に向かおうとするが、背後からメラ族が襲いかかる。 楊端和はその中にカタリがいないと気づいた。
 
 カタリはなんとブネンのすぐ後ろまで迫っていた! 意外と早く会えたなクロヤロォとカタリが復讐戦の口火を切った。 すぐにブネンが部下達に行けと命じた。また死に兵として縛るために…。 
 しかし、二度目は無かった。 同じ方法で二度も族長を失うわけには行かぬとすぐにカタリの前にメラ族達が割って入り、犬戎兵たちを防いだ。 カタリがクソは最後までクソなんだなと捨て台詞を吐く。 
 
 ブネンが一騎でカタリに挑む。 ブネンの矛をカタリは曲刀で事も無く防ぐ。 そして、その曲刀の早さはしなりを生み、ブネンの矛の柄を滑べりながらその五指を切り落とした。 その刀の早さに敵味方が唖然となった。速いなんてもんじゃないと…。 
 カタリの方が十倍速かったとキタリは俯きつぶやく。 もう片手でブネンが矛を振るうが、キタリがその腕を切り払う。 カタリの方が百倍強かった、なのにお前に…。 キタリは涙声でうつむく。 そのキタリにブネンは戦意を喪失し、やがて部下に任せて逃げ出した。 
 

 

Photo(u_u。)ああブネンよ、あんたで二人目ですわ。

本懐を遂げたキタリ!フィゴ王はキングダムのパターンに入りましたのでかませフラグが消滅しました。

 
 
死んで詫びやがれクロヤロォとキタリが逃げたブネンを後ろから滅多斬りにした。 細切れされたブネンの肉体が崩れ落ちた瞬間、メラ族の仇討ちは新族長キタリの涙で祝福の喊声の合図になった。

 

 

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