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信伝キングダム 590

#「攻め偏重」

 

 

【王翦将軍本陣】
 右翼が朝日が昇ったばかりで戦い始めたのを喊声で知る。幕僚達は兵糧が枯渇した今一刻も無駄に出来ないからと言い合う。 
    
 第三将兼参謀長・田里弥は時間の無い我らは右に援軍を送り、一刻も早く決着をつけたいのだが、王翦様は送らない。 いや送れないのだと主の脳裏を察する。 
 それは正面にいる李牧の重圧にと感じた田里弥。王翦は田里弥に逆もまた然りだと彼の心配を見抜いたように言う。 李牧も尭雲以降援軍を送っていないのがその証。 田里弥は今、“鍵”を握っているのはやはり右翼だと言い、王翦もそれを認める。
    
【李牧本陣】
 老将が左に援軍を送っていない理由を金毛から聞いていた。金毛は王翦中央軍の気配を間近で感じ、分かった。
        
 奴はこちらが援軍を送り痩せ細れば、翼の結果を待たずに突撃するつもりだからと。あちらも援軍を送らぬのは中央の戦力差が生じるのを待っているからだと。
  
 それはお互い様ですと李牧が言う。私が尭雲以降、援軍を送らぬから紛糾している秦右翼に王翦は送れないのだと。 金毛はつまり李牧様は左に援軍を送らぬ事で大きな援護をしていたのだとその戦略に感嘆する。隣の老将もまた同じ感想を抱いた。 皆は兵糧問題のある王翦は余程に苦しかったでしょうなぁとゆとりを見せた。 
     
 皆を安心させた李牧はそれももうすぐ終わると言う。場が引き締まる。 そこにカイネはだったら我らが圧倒的に有利ですと言い出す。
     
 左の戦いが援軍無く今ある戦力同士で決着をつけるならば、秦右翼は亜光、王賁退場して残るはあの飛信隊の信のみですと。 李牧はええ、その通りと答える。つまり…勝つのは趙左翼、その流れでこの朱海平原の戦いにも勝利しますと確信する。
 

 

(*゚∀゚)=3 その飛信隊只今奮戦中!!!
     
羌瘣が 田有が 竜川が 
沛狼が 田永が 去亥が 尾平を助けて昴が 干斗ら新兵達も!!!
        
【飛信隊兼秦右翼本陣】
       
 飛信隊の右側から敵を押し込み始めたと本陣に伝わる。貂軍師は田有隊に右攻させて殲滅させるように命じる。竜川隊も前進し始める。去亥隊が危険だから急いで助けようとの声が出るが、貂はここから援軍指示は一切出さないと言い切った。
       
 酷薄な命令にスタッフが驚いた。貂はこの戦は攻め偏重で戦わないと勝てない。局面局面で死線を超えないと勝てないのだと説明する。 
 それでも一応現場の二人に最低限の救援の役割を頼んだと言う。二人には本当にキツい役割を頼んできたと。  その二人とは…、
    1. 副長渕 :騎馬の目線で各隊の限界をよく知り、見極めが出来る。
    2. 副歩兵長松左 :歩兵目線で視野が広い。

(開戦前の貂・渕・松左) 貂は今日は攻め重視の作戦で動かし続けるから、現場の守りと救援は二人に任せると伝える。 かといって遊撃部隊を遊ばせる余裕は無い。現場の兵を二人の判断で動かして…
              
 助けるべきところだけを助けて。助からないと思う所は最初から助けに行かないで。 言っている意味が分かるよねと。 軍師の命令に二人の目の光が変わる。 
 渕は犠牲を最小にしながら判断しますと命令を拝受する。貂がごめん、本当は俺の役割なのにと謝る。松左はいつもお前が背負っている苦しみだ、今日くらいは任せろと慰めた。


十四日目の飛信隊の戦いは正に“肉を切らせて骨を断つ”作戦であった。隊としては「ノーが―ド」のような戦い方で、 肉を切らせても骨まで達しないギリギリのところを渕と松左が守っていた。  
     
一方で攻めに関しては「飛漂」「楚水騎兵団」「崇源歩兵団」が攻めに専念して“雷”のような進撃をみせた。
 
 彼らに負けじと田永、田有隊が前だけ見て戦えと軍師の命令通りに猛烈に前進する。後ろを気にするならそれを守るために前の敵を討てと敵を斬り払う。 隊長・信も勿論奮戦! 田永、田有らを鼓舞して更に前進する。
                 
 飛信隊の戦いぶりを玉鳳も見ている。番陽達は危うい味方を気にせずに戦う、あやつらがこれまで絶対してこなかった戦い方、だがそこまでせねば今日の戦は勝てないのだと骨身にしみる。
     
 尭雲軍が出てきたので玉鳳隊も迎撃に出る。番陽はおそらく尭雲は出てこぬ、だから尭雲軍の足を止める。間違っても隣の飛信隊に近づけるなと厳命する。番陽はここにいない王賁に貴方が不在であっても玉鳳の責務は命にかえても全ういたしますと心中で誓うと、迎撃に前進する。 

 

【趙峩龍本陣】
            
 こちらの隊を各所で飛信隊が撃破している。そこに安基様が討ち死にの報も来た。幕僚達が苦戦に揺れていた。
     
 しかし、大将の趙峩龍は狼狽えるなと動揺を抑える。その分、こちらの前線も向こう側をズタズタにしていると言う。相手のやり方に合わせる必要は無い、侵入している場所は後方から兵を入れて厚くせよ、特に隊長信の所へと。
            
 趙峩龍は小隊ごとに戦術を使いこなす我が兵達を相手に守備を捨て置くのは致命的だぞ飛信隊と自軍の練度に絶対の自信を誇る。
                   
ここから顔を青くするのはお前達の方だ  趙峩龍の言葉通り、飛信隊は各所で包囲され始めていた。包囲され全滅する隊も増え始める。 
        
 尾平達も包囲されていた。二十に囲まれて部下達が倒されていく。尾平、慶も囲まれあわや槍で串刺しにされそうになる。 そこに危機一髪で松左達が救援に間に合った。 助けられた尾平と慶は涙目でありがとうと言う。 汗だくの松左は危機が早ぇよバカと一言。 

 

(゚m゚*)死に物狂いの攻勢!

 

 

 

 

 

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